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レーヴァティン

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第百三十九話 西への出航その七

「戦はしないで限るな」
「その通りだよな」
「戦はとにかくだ」
「銭がかかるな」
「幾らあっても足りないな」
「それ位だな」
「どうしようもない位にかかるからな」
 どうしてもとだ、正は話した。
「戦はしないに限るな」
「本当にな」
「そんなものだな」
「ほんまな、こういうのに使うんやったら」
 美奈代も言ってきた。
「内政にな」
「どんどん使いたいよな」
「戦つまり軍勢に使っても」
 そうしてもというのだ。
「出るばかりでな」
「それも莫大にな」
「入って来んからな」
「出費ばかりでござる」
 進太も残念そうに言ってきた。
「戦のことは」
「全く以てその通りだ」
「収入にはつながらないでござる」
「他の政と違ってな」
「田畑や街、インフラに使えば」
 そうすればというのだ。
「返って来るでござる」
「そうだよな」
「教育もでござる」
「返って来るからな」
「人材が育ち」
「そうなるけれどな」
「軍事は」
 この分野はというのだ。
「全くな」
「出費ばかりでな」
「戻らないでござるからな」
「正直あまり使わないに越したことはないんだよ」
「その通りでござる」
「戦をしないで済むなら」
 久志は心から言った。
「本当にな」
「それでいいでござる」
「それがベストだよ、しかし思うことは」
 それはとだ、久志はこうも言った。
「避けられない戦ってあるからな」
「今回はどうでござるか」
「避けたいな、今の時点でも」
 軍勢は集めた、その時点でもというのだ。
「それでもな」
「向こうが降ればでござるな」
「それでな」
 その時点でというのだ。
「いいさ」
「それで後は、でござるな」
「領土にした連合王国の政だよ」
 それを行うというのだ。
「それを行うからな」
「いいでござるな」
「今の時点で結構な出費だしな」
 予算の中でそうなっているというのだ。
「ここで済めば」
「いいでござるな」
「ああ、これであの国を降すまでの戦となれば」
「もう予算を圧迫する」
「そこまでのものになるからな、というか」
 久志はこうも言った。
「一つ思うことはな」
「それは何や」
「いや、戦を好きでやる奴ってな」
「政をやってる人やとな」
「そうそういないよな」
「ここまで予算圧迫するとな」
 まさにとだ、美奈代は話した。 
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