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おぢばにおかえり

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第五十七話 卒業式その七

「私はまだね」
「じゃあもう付き合いなさい」
「ちっちのこと本気で好きでおみちに熱い子とね」
「そうすればいいじゃない」
「そうした人がいればいいけれどね」
 私とすればです。
「どなたかたね」
「どなたかって年上って考えてる?」
「ひょっとして」
「そうなの?」
「ええ、何となくだけれど」
 もうこの辺りはイメージというか文字通り何となく思っていることです、はっきりとしたことは言えないですが。
「結婚する場合男の人が年上のことが多いでしょ」
「確かにそうだけれどね」
「年下の子と結婚する場合もあるでしょ」
「そうでしょ」
「それはそうだけれど」
 何かお話をしていてわからなくなりました。
 それで皆にあらためて聞きました。
「あの、お話が変な風になってるけれど」
「そうかしら」
「別によね」
「ちっちの将来のことでもあるし」
「いい子と巡り合えたらって私達も思ってて言うのよ」
「それは有り難いにしても」
 それでもです、本当に今のお話の流れはです。
「交際とか結婚とかまだまだ考えられないから」
「それが駄目なのよ、ちっちは」
「大学生になったら誰かと付き合えばいいでしょ」
「しかも傍にこれはっていう子がいたらね」
「しかもその子がちっちを好きなら余計にいいでしょ」
「私を好きな子って」
 そう言われてもです。 
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