| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百四十七話 酔い過ぎてその一

               酔い過ぎて
 洪童は鍋を洗って拭いてから妹に言った。
「ちょっといいか?」
「どうしたの?」
「風呂入るか」
「えっ、今は止めないと」
 春香は兄の言葉に顔を顰めさせて返した。
「飲み過ぎだから」
「だからか」
「そう、酔ってお風呂はね」
 これはというのだ。
「下手したら死ぬから」
「心臓に悪いか」
「だからね」
「朝にでもか」
「もう二日酔いなら」
「朝入ってか」
「すっきりしたらいいでしょ」
 こう兄に話した。
「それかもう明日二日酔いのままね」
「学校に行ってか」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「死んでればいいのよ」
「投げやりだな」
「だってお酒入ってお風呂入ったら」
 春香はとにかくそのことを話した。
「身体に悪いから」
「それでか」
「今は駄目よ」
「それじゃあな」
 洪童は妹の言葉に頷いた、そうしてだった。
 今晩は風呂に入ることを止めた、それで寝るまでテレビで寝ていようと思った。それで鍋を拭き終わってからだった。
 リビングに向かった、だがここで春香に声をかけられた。
「お風呂は駄目でもね」
「何だよ」
「シャワーはいいから」
 それはというのだ。
「入ったら?」
「それで身体奇麗にしたらいいか」
「そうしたら?私も入るし」
「それじゃあな」
「それで私入る前にね」
 春香は酔った顔で兄にこうも言った。
「ちょっと水着をね」
「水着?」
「今度友達とプールに行くから」
 それでというのだ。
「ちょっと水着合わせたいのよ」
「水着なんてって言いたいけれどな」
 それでもとだ、彼はすぐに言った。
「女の子はな」
「そうはいかないでしょ」
「男と違うからな」
「女の子の水着はね」
 それこそとだ、春香も話した。
「そうはいかないのよ」
「種類が多いからな」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「見て欲しいのよ」
「それはいいけれどな」
 それでもとだ、洪童は春香にどうかという顔で話した。
「俺も男だからな」
「それでなのね」
「変な気になったりするだろ」
「兄妹でも?」
「そういう話もあるだろ」
「そんなこと言ったら」
 それこそとだ、春香は兄に言った。
「とっくにでしょ」
「そういう話になってるか」
「そうでしょ」
 こう言うのだった。
「今のだと」
「あのな」
 洪童は妹に真面目な顔で話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧