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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ

作者:炎の剣製
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051話 文化祭編・開催1日目(01) 気合の入った告白阻止前線

 
前書き
更新します。 

 




俺は学園祭当日、告白生徒の見回りもあるがそれ以外にも頼まれている事があった。
それは俺が午後の半に回されたので午前中暇なこともありエヴァの執事役などをやらされていたのだ。
もちろん服装もこの時だけは完璧な執事服(エヴァによるオーダーメイド)といったものだ。
なぜこんなことに借り出されたのかというとー、ごく最近起きた珍事件で弱みを握られたからである。

「しかしお前がいるおかげで道行が楽だなー」
「ソーダナ御主人」
「……」
「ん? どうした士郎? 今のお前は私の有能な執事なのだからもっとマシな面をせんか」
「ケケケ、シカシ予想以上ニ似合ッテンナ」
「……こんなことをして後でただで済むと思うな?」
「んー? なにかいったか? おー! まさかあの薬を飲みたいのか!」
「誰が二度と飲むか!?」
「そうか。それは残念だ…もう成分も分かり量産も計画中なのだがな…それより今のお前はなんだ?」
「くっ! …地獄に落ちろ、エヴァンジェリン!」
「はっはっは、そんな悔しそうな顔をして言われても逆におかしいぞ」

俺はそれ以降、作り笑いをしながらもエヴァの執事を渋々付き合うことになるのだった。
あー、早く午前が終わらんだろうか?
そんな事を考えていると前方からネギ君と刹那、姉さんが歩いてきた。
しかしネギ君はともかく姉さんは確か交代性で今は保健室にいるはずではなかったか?

「あ、あらシロウ。そんな格好をしてどうしたの?」
「に、似合っていますね士郎さん…」
「そうっすね」
「どうしたもなにもこの元凶は姉さんではないか? それより姉さんは今保健室の当番ではなかったか? こんなところで暇を潰していていいのか?」
「え、ええっとね…シフトが変わって非番になったから私も午後まで時間を潰していようと思ったのよ」
「そうだったのか」
「ところでぼーや? なにか面白いものを持っているな? 妙にハシャいでいるしな」
「え!? そ、それは!」
「どれ、よこせ。悪いよぅにはせん…」

エヴァは少し意地の悪い顔をしながらネギ君に詰め寄るがネギ君は走って逃げていった。
それで少しエヴァが追い回すはめになったが姉さんに念話で『足ドメお願い』といわれたのでタイミングを見計らってそこまでにしておけと言って止めておいた。

「しかしなぜあいつらは急に逃げ出したんだ?」
「ネギ君の場合は恐怖ではないか?」
「ふん! 私の弟子がただの威圧ごときで情けない! っと、それより少し小腹がすいたな。どこかへ寄ろうとするか。執事モードだ」
「くっ! それではどこに参りましょうかマクダゥエル様…」
「ケケ。タノシイナ、シロウ」

その後はあの黒の月姫ばりに俺を連れまわしてエヴァは満足げに前を歩いていた。
一つ店に寄るたびに「あれが本物の執事かー…」とか感嘆の声を出されていたが軽く受け流す。一々受け応えしていくとやっていられなくなるから。
何名かのクラスメイトの出し物にも寄り、現在は四葉のお料理研究会で間食をしながら休憩中である。ううむ、やはりこれはうまいな。
…しかし時間的にシフトの時間ももうすぐだからそろそろ引き上げか。

「そういえば士郎。お前は武道大会には出ないのか?」
「ああ、ネギ君達が出るといっていた奴か。俺は特に興味は持たなかったな。力は見せびらすものではないからな」
「そうか。お前らしいといえばそれでおしまいなのだがな…それよりその武道大会なにやら超の奴が面白そうなことをしようとしているらしいが…」
「…なに?」

ガンドルフィーニ先生に聞いた話だが先日に破壊した機械を操っていたのは超達だと聞く。
注意だけはしておいてくれと言われているから見に行かないわけにはいかないな。

「ふむ、では様子見だけでもしてみるか。場所は知っているのか?」
「午後の六時から龍宮神社で行うらしいぞ。お前も気が変わったらなら出てみるがいい」
「本当にもしも、だな」

エヴァはそういって俺とは「予定の時間だな」と言いその場では別れた。
そして俺は執事服ではさすがにまずいと思い、いつもどおりの黒いシャツとパンツに着替えて告白生徒の見回りに出ることになった。


◆◇―――――――――◇◆


担当場所に合流したのはランサーに小太郎である。
俺のポジションは告白しそうなものをこの鷹の目で発見しだい近くの関係者に発見・報告…及び殺傷性のない睡眠作用の入った針を何本も投影して鉄甲作用で飛ばして昏睡させるというもの。
距離があるならば弓を使っても大丈夫だということ。ただし当然矢の先は丸くして傷つけないことが前提だ。
それをあらかじめ二人に伝えた後、

「はー…お前さんにしてはなかなかできた方法じゃねぇか」
「さすが士郎の兄ちゃんやな! 俺が出来ることって言えばお札使うか狗神使って気を紛らわすくらいやで」
「それでも十分ではないか? そもそも俺達前線向けの者達はそういった類のものは大抵少ないからなんとかなるだろう。ところで一応聞いておくが…ランサーはどうするんだ?」
「俺か? まぁ…なんだ? ルーン魔術も使えばどうにかなるだろうがそれ以外はすべてにおいて戦闘面に傾いちまってるから役にはたたねーな。だからここにいねぇマスターか嬢ちゃん達に混じって指示を仰ぐことにするわ」
「そうか。では無線機と告白探知機を持っていることを確認してから各自回ってくれ」
「おうよ」
「了解や!」

それから午後は告白者が出ないために各自散開した。
それで俺は高い場所から目を強化させ担当区域を高い位置から目視。
途端、凄い数の告白しそうなものが浮上してきた。
よって即座に報告。

「小太郎! お前の左右後方に合わせて四組! 狗神を使い彼らの気を紛らして同時に区外まで自動で追いかけさせろ!」
『わかったで!』
「姉さん、その付近一帯で告白しようとする集団がある。幻術でも魔法でもなんでもいいからよろしく頼む!」
『ええ!』
「刹那、アスナ! その付近は特に多いから根こそぎ叩け! 俺もここから援護する!」
『了解しました』
『わかったよ士郎さん!』

次々と指示を出し返事が確認されたので俺は今一番不安な刹那、アスナ組(理由としては、刹那は符術も使えるがほぼ剣術一般、アスナはまずハリセン以外は論外だからだ)に援護することになった。
人にも気づかれにくいように剣による結界を構築した高台の上から俺は麻酔針を投擲、時には先のない矢を放ち昏睡させるといった行為を指示しながらも同時進行で行っていた。
それと事後の処理もしっかりとせねばいかんな。

「こちら衛宮士郎。医療班、告白生徒数名を処理した、各自搬送の手配をお願いする」
『了解しました。対象の状態を知らせてください』
「それはそこを担当した―――……」

返事はすぐに帰ってきて気絶させる以外手がなかった生徒達は早急に医療班に運ばれていった。
俺は一回反応が途絶えたことを確認すると一息ついて、

「ふうぅ…一日目でこれとはな。これからが大変そうだな…」

少し深いため息をつきながらも告白生徒は減るわけではない。すぐにまたサーチしたので目視・指示・投擲・医療班への報告を出しまくった。


◆◇―――――――――◇◆


Side 衛宮イリヤ


私はアスナ、セツナ、コノカとともに三時過ぎということでシロウに一度休憩をしたほうがいいと指示を受けたので少しばかり雑談をしていた。

「でも、シロウも何気にすごいことを一人でしているわね…あれじゃキリがないでしょうに?」
「そうですね。ですが士郎さんはあのポジションが向いているのかもしれませんね」
「そうやね。サッカーとかやったら司令塔って感じか?」
「そうね。それですぐに指示を出してくれるからこちらもやりやすかったわ。
私がハリセンで叩き倒す前にすごい距離あるのに麻酔付きの針が刺さっていて気絶しているからね~。
医療班への報告も早いから………もしあのエリア(・・・・・)も士郎さんが担当していたならあんなことには…」

アスナは先ほど―――といってもシロウは知らないだろうけどタイムマシンでの二回目で起きた事件までは時間があるのでまだ未来の話―――のことをまた思い出して頭を抱えている。
それで何度か目のアスナの問答。

「…ねぇ、本当に士郎さんにはタイムマシンのことを教えなくてもいいの? 士郎さんもなにかと用事が重なっているとかあるんじゃないかな?」
「…アスナ、何回も言ったけどそれは却下よ。シロウがそれを知ったら絶対使うなってネギから懐中時計を取り上げるに決まっているわ」
「そうやで、アスナ。ただでさえ士郎さんはその手は嫌っているんやから尚更や」
「はい。私もその意見には反対です。士郎さんには迷惑をかけたくありません」
「わ、わかったけど…なんでそこまで頑固になるの?」
「今までアスナさんには話した事がありませんでしたが私とお嬢様は―――……いいですかイリヤさん。簡単にですが話してしまって」

セツナが何を言おうとしていたか分かったけど一回私に聞いてきたので大丈夫といった意思をこめて頷いた。
それでセツナも分かったようなのでアスナに簡単にだけど話をした。

「私とお嬢様は、アスナさん達とは別に従者として士郎さんの過去を見させてもらいました…」
「え…? ええええ~~~~~!!? それ本当なの、このか!?」
「…本当やよ。それでウチとせっちゃんは士郎さんとイリヤさんが味わった過去を見せてもらったんや。どういった内容は話せへんけど、それが理由でウチとせっちゃんは士郎さんとイリヤさんに着いて行こうって決めたんや」

コノカとセツナの目は先ほどまでとは違って真剣な目になっていてさすがのアスナも気圧されたらしい。
だから私も加勢する形で、「私とシロウは異世界の人間よ」といってアスナは理由は聞いてこないけど黙りこんでしまった。

「そうだったんですか…」
「ま、もう私達にとっては過去の話だから気にしなくていいわよ、アスナ。元の世界に帰ろうとも思っていないしね。
でも、ちょっと理由があって私はそれほど拘っていないけどシロウは過去の事をやり直したいなんて願望はこれっぽっちも持っていないから絶対に内緒ね?
もしコタロウにも聞かれたら口出しは封じておくこと。いいわね?」
「はい…」
「うん。返事は小さいけどわかってくれたならそれでいいわ。さて、休憩も終わりにしてもう一頑張りしましょう!」

さて休憩時間も終わって時間は四時過ぎ…そろそろかしらね?
すると世界樹がわずかに発光しだしてきて、世界樹観測班から報告があり告白生徒が出たとのこと。
それでシロウからも連絡が入り、

『姉さん、告白生徒が出たぞ! すぐに俺は向かおうと思うが大丈夫か!?』
「あ、シロウ。大丈夫よ。その場所の近くにいた関係者から連絡があってもう確保したと連絡があったわ。それに内容は告白ではないらしいからシロウが出る幕はないわ」
『そ、そうなのか…? そんな報告は一度も入ってこないが…』
「もうじき連絡が入ると思うからシロウも担当を変わってもらって休んだらどう?」
『そうだな…では少ししたらそちらに向かう』

プッ! と通信機から通信が途切れると私は大きくため息をついた。
それは他の三人も同様のようらしい。

「ふぅ…シロウが物分かりよくて助かったわ。今向かったらもう一人の私達と遭遇することになっちゃうから…」
「はい。士郎さんが向かったならネギ先生を倒すことはまず確実でしょうが…」
「やっぱり歴史は修正できないのねぇ……」
「まぁまぁアスナ。もう過ぎたことは忘れとき」


それでシロウと合流した後はなにか用があるのかと聞くとエヴァになにか聞いたらしく龍宮神社で開かれる武道大会の視察にいくらしいので私達も着いていくことにした。

 
 

 
後書き
学園祭、開催です。 
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