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八条学園騒動記

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第五百四十六話 〆に入れるものその七

「実際に」
「けれどエウロパは二番目だろ」
「そうよね」
「イギリスやフランスやスペインのことも言わないだろ」
「エウロパの中でも札付きの国々だけれど」
「こうした国のことはな」
 大航海時代から帝国主義時代のことはというのだ。
「言わないからな」
「それはそうよね」
「もうな」
 それこそというのだ。
「どうでもいい感じだろ」
「教科書でもね」
「そっちの方が問題なのにな」
「バチカンの腐敗とかね」
「バチカンもエウロパの連中だからな」
 連合では一神教の問題点や権力の過度の集中以上にエウロパの特質にあるとされて言われているのだ。
「ああなったしな」
「徹底的に腐ったのよね」
「そうしたこともな」
「言わないしね」
「十字軍だってな」
「あれ酷いわよね」
 彼等の行いはというのだ。
「本当に」
「有り得ないまでな」
「もう殺人鬼の集団よね」
 十字軍の実態はというのだ。
「それこそ」
「中東でもそうだったしな」
 最も有名な七回に渡ったものだ。
「南フランスでも東欧でもな」
「酷かったのよね」
「もうキリスト教徒でもな」
 異教徒は言うまでもなかった。
「殺してな、それこそ異端でも何でもな」
「殺しまくってたのよね」
「純粋なカトリックの人がいてもな」
「殺してたのよね」
「あの世で神が見分けるとか言ってな」
 アルビジョワ十字軍の時のことである。
「それでな」
「もう誰彼なく殺していて」
「街ごと壊したり徹底的に略奪してな」
「強盗と一緒根」
「本当にそんな連中でな」
 それでだったというのだ。
「無茶苦茶だったけれどな」
「そっちは言わないで」
「日本の統治のことを言うんだよ」
「十字軍とか欧州の植民地統治と比べたら」
「比較にならない位な」
 そこまでだったというのだ。
「よかった、日本人だったからな」
「植民地の現地民じゃなくて」
「日本人だったんだよ」
「法律として」
「その立場でな」
 それでというのだ。
「それじゃあな」
「全然違うわね」
「だから学校にも行けて」
「普通に」
「大学まで行けたしな」
 当時そこまで進学出来る者は僅かでもというのだ。
「国立大学にも」
「国立ね」
「それも半島にそのまま大学を建ててな」
「現地に」
「そしてそこに韓国人も三分の一いたんだよ」
「三分の一もいたのね」
「ああ、ソウル大学な」
 出来た時は京城帝国大学といった、京城とは当時ソウルを漢字でそう書いて読んでいたことからの名前だ。
「そこにな」
「あそこも実はね」
「日本が建てたんだよ」
「実はそうなのよね」
 春香はこのことも知っていた。 
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