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八条学園騒動記

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第五百四十五話 日本についてその十三

「暫く変な国も一緒にあって」
「北朝鮮ね」
「危うくあの国に統一されそうになったり」
「攻め込まれたり」 
 朝鮮戦争、韓国ではこの時代でも六・二五動乱と呼ばれている。朝鮮戦争を二つに割った大きな戦争だった。
「あと赤化統一をね」
「よりによって韓国の大統領が進めたり」
「あったわね」
「普通なかったけれどね」 
 洪童は妹に話した。
「国家元首が自分から国を譲り渡そうとか」
「大統領がね」
「本当に危なかったよ」
「そうよね、けれどね」
「そうした危機も乗り越えて」
「変な国もなくなって」
 それでというのだ。
「統一されたけれど」
「教科書にはその間も日本ずっと出て来て」
「それも邪魔者みたいな感じで」
「ライバルというか」
 そうした立場でなくというのだ。
「そっちよね」
「そんな風で出て来て」
「もうずっとな」
 それこそというのだ。
「日本が教科書に出ているから」
「韓国人が日本を知らないとか」
「それはね」
「絶対になくてな」
「もう何でも日本が日本がってなるのね」
「これが日本の教科書だと」
 対するこちらはというと。
「韓国あまり出ないよな」
「周りの国の歴史よね」
「それ位でな」
「あまり意識されてなくて」
「韓国と全然違うんだよな」
「正反対よね」
「本当にな、しかし」
 ここでだ、洪童は鍋を見た。見れば鍋の中にある具は殆どなくなっていた。あと少しで食べれば終わりだった。
 それでだ、彼は妹に言った。
「これからの問題はな」
「〆よね」
「〆何にするか」
「ちょっとそのことお話する?」
「そうするか」
 鍋の中にある具の残りを二人で食べた、そうしてその真っ赤な鍋のつゆを見つつ二人で話すのだった。


日本について   完


                 2019・10・24 
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