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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十三話 隅田川その六

「幕末から日露戦争かしら」
「日本も激動だったけれど」
「ベトナムもでしょ」
 僕に笑って言ってきた。
「もう必死だったわ」
「ずっと戦ってばかりで」
「本当にね、沢山の人が死んだしね」
 その長い戦争の中でだ。
「物凄く苦労したけれど」
「勝ち残って」
「それで今のベトナムがあるの、ただね」
「ただ?」
「その後もカンボジアに攻め込んだりソ連とタッグで太平洋の殆どの国向こうに回してね」
「言うなら日露戦争の後もだね」
「ベトナム戦ってたのよね」 
 そうだったというのだ。
「大変よね」
「物凄い歴史だね、つくづく」
「それでも明るく粘り強く」
「そうしてやっていったんだ」
「ベトナム人は明るいでしょ」
「うん、確かにね」
 このことは東南アジア全体がそうだ、この地域の人達はとにかく明るい。そこにはベトナムも入っている。
「底抜けって言っていい位にね」
「明るいでしょ」
「それにタフだしね」
「尚且つ粘り強い」
「そんなお国柄だね」
「大変な時代でもね」
「そういった国民性でやっていってるんだね」
 こうダオさんに問い返した。
「ベトナムは」
「そうなの、特に女の人が」
「ああ、ベトナムって女の人の国ってね」
「そんなイメージあるでしょ」
「アオザイもあるし」
 ベトナムの民族衣装だ、スタイルがはっきり出ることでも有名だ。
「あとそもそも建国が」
「徴姉妹からだから」
「後漢の圧政に反発して独立して」
「その時の英雄よ」
 十四歳と十三歳、今では子供と言っていい姉妹が立ち上がったのだ。そうしてベトナムという国が生まれたと言っていい。
「そしてずっとね」
「女の人が強いんだね」
「何かあれば女の人が立ち上がって」
 そうしてというのだ。
「勇敢に戦ってね」
「国としてやっていったんだね」
「それで国家が擬人化されたら」
 擬人化というと日本だけれど風刺画でもよくある、日本だと侍になるしアメリカだとアンクル=サム、中国だと人民服を着たおじさんがメジャーだろうか。
「ベトナムって高確率で女の人なのよね」
「そういえばそうかな」
「漫画でもね、もうね」
「女の人でない方がかな」
「それもアオザイを着た」
「民族衣装だしね」
「日本はお侍さんでしょ」
 ダオさんもこちらをお話に出してきた。
「男の人よね」
「芸者さんとか着物を着た女の子の場合もあるよ」
「そう、けれどダオが思うにね」
「日本は擬人化したらお侍なんだ」
「それが多くてお侍だから」
 それでというのだ。
「女の人よ、アメリカや中国なんて確実に男の人でしょ」
「あの二国はそうだね」
 むしろ女の人に擬人化されている方が稀だ、美少女化されている場合はともかくとして。 
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