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星河の覇皇

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第七十三部第一章 野心家のはじまりその三十九

「そこから怪しいが」
「果たして本当に古代民族の末裔か」
「そうした国かはですね」
「そもそも疑問である」
「そしてですね」
「建国してからだ」
 そこからもというのだ。
「どうなのか」
「そこからもですね」
「かなり変わっていきましたね」
「混血が進み」
「そして彼等の文化も文明も」
「そうしたものが」
「そうだ、当初彼等はコーカロイド系が多かった」
 カルタゴはアフリカ北岸にあった国だ、チュニジアにあった。
「チュニジア出身のな」
「北アフリカはコーカロイド系が多かったので」
「それで、でしたね」
「そのうえで、ですね」
「チュニジア人の一部が建国したので」
「そうした人種構成でしたね」
 建国当時のカルタゴはとだ、ジャバルの周囲の者達も述べた。
「その時は」
「そしてそれがですね」
「徐々にですね」
「変わっていったというのですね」
「今はアフリカ系の方が多い」
 コーカロイド系ではなくというのだ。
「混血が進んでな、そしてブラジルとの関係が深くなってだ」
「ブラジル文化の影響を受け」
「それで、ですね」
「文化も変わっていったのですね」
「そして文明も」
「そうなった、建国当初はイスラム文明だったが」
 チュジニアがそうだった様にだ。
「キリスト教に古代メソポタミアの神々の信仰も強くなりだ」
「そしてですね」
「今の様になった」
「建国当初とは全く違う国家になった」
「そうなのですね」
「どの国もそうなっている」
 連合の国はというのだ。
「人種や民族の構成も信仰も文化もだ」
「そして文明もですね」
「変質していき」
「そうした状況なので」
「千年前の国家と同じとは言えない」
「連合は特にそうなのですね」
「スラブ民族はアフリカ系か」
 ジャバルは民族の話もした、連合は実に多くの民族もその中にある国なのだ。
「そしてイロコイ族にコーカロイドの血が入っているか」
「今の連合では普通ですが」
「アフリカ系のスラブ民族もいます」
「ロシアにもクロアチアにも」
「そうなっていますね」
「イコロイ族も然りですね」
「あちらも」
 ネイティブアメリカン、つまりアジア系である筈がだ。
「普通に金髪の市民がいますね」
「あの民族にも」
「目が青であったり緑だったり」
「肌が褐色であったり」
「そこまで混血している、民族の名前がそうでもだ」
 スラブやイロコイでもというのだ。
「最早だ」
「千年前と同じではない」
「そうなのですね」
「連合は民族もまた」
「そうして混血してですね」
「別のものになっていますか」
「あの国は極端だがな」
 ジャバルはこうも言った。
「何もかもが普通に交わる国なのだから」
「文化についても」
「何かと」
「ソマリアでアフリカ系の落語家を見た」
 ジャバルが学生時代に連合を旅した時の話だ。 
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