| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十三部第一章 野心家のはじまりその三十五

「ギルフォード総統は流石だな」
「我がマウリに注視していることは」
「そのことはですか」
「そうだ、連合以上にだ」
 こう同志達に言うのだった、密かに会議をしている場で。
「我々を知ろうとしている」
「はい、間違いなく」
「そうしてきていますね」
「そしてそのうえで、ですね」
「我々への政策を考えていきますね」
「連合は諜報網までは築いていない」
 この国はというのだ。
「中央政府も各国政府も注視しているが」
「特別に予算まで組んでですね」
「そこまでして組織を強化してことに当たろうとはしていない」
「だからですね」
「あの国は連合以上にですね」
「我々を見ようとしていますね」
「そして私もだ」
 ジャバルはこうも言った。
「見ようとしている」
「副主席の行動も」
「そちらもですか」
「私がマウリアを動かしていくと確信しているな」
 ギルフォード、彼はというのだ。
「間違いなく、そしてだ」
「そのことは、ですね」
「間違いありませんね」
「マウリアは閣下の手で大きく変わりますね」
「その様になりますね」
「私にとって権力の座はどうというものではない」
 国家主席、マウリアの最強権力者の座もというのだ。
「そこに至ることもだ」
「造作もないこと」
「そうですね」
「そうだ、瞬きをする様なものだ」
 ジャバルにとってはというのだ。彼は自分で言った。
「まさに何でもない」
「瞬きする様な」
「そうしたもので、ですね」
「何でもないことである」
「その座に収まることは」
「通過点に過ぎない」
 こうも言った。
「所詮な」
「問題はその座から何をするかですね」
「閣下にとってはそのことが大事ですね」
「権力の座ではなく」
「そちらですね」
「そうだ、権力なぞその手に持つ道具でしかない」
 素っ気なくすらあった、その言葉は。
「私が考えるのはその権力をどう使うかだ」
「ご自身の政策の為に」
「そのことが大事であり」
「権力自体が問題ではない」
「それは小さなことですね」
「そうだ、私はその様な小さなことは望まない」
 権力のトップに立つことだけをというのだ。
「大事なのはマウリアをどうするから」
「どうした国にするかですね」
「この国をどう変えるのか」
「それがですね」
「重要なことですね」
「そのこと自体がだ、私はマウリアを大きく変える」
 彼が考える理想の国家にだ。
「そうする、そしてその私をだ」
「エウロパは力を入れてですね」
「そうしてですね」
「見て、ですね」
「対策を講じてきますか」
「政策としてな、あの国はおそらく復興から発展に至る」
 ギルフォードが望む様にだ。
「そして人口も増え暗黒宙域もだ」
「あの何十万光年もあるという」
「あの宙域も超えますか」
「そしてそのうえで、ですか」
「その向こうにある新天地も手に入れますか」
「そうなるだろう、しかし連合も大きい」
 エウロパと対するこの国もというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧