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レーヴァティン

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第百三十二話 二手に分かれその九

「あります」
「そうだな、正直薩摩芋がないとな」
「薩摩は手に入れても」
 大隅もだ。
「中々治めにくいです」
「全くだな」
「そこが違うので」
「だからいいな」
「はい、手に入れれば」
 その時はというのだ。
「治めていきましょう」
「安心することは安心し」
「そのうえで、では」
「まずは肥後と日向までな」
「進んでいき」
「琉球と種子島も手に入れる」
 先のことも話した、そしてだった。
 英雄は豊後を攻める智達にはそのまま進む様に文を送った、そうしてそのうえで自身は肥前に兵を進めていった。
 そのうえで佐賀や長崎も手に入れていったが。
 ここでだ、彼は島原に兵を進める時にキリスト教の教会を見て言った。
「信仰はこのままでいいが」
「キリスト教も」
「だが。前から思っていたが」
「といいますと」
「どうも西の浮島の教会とな」
 その教会を見てだ、英雄は謙二に話した。
「同じカトリックのものでも」
「違うと」
「そう思うが」
「やはりそれは」
 何故かとだ、謙二は英雄に答えて話した。
「この浮島の文化や風俗が入って」
「そのせいでか」
「はい、そうなっていて」
 だからだというのだ。
「変わっているのでしょう」
「そういうことか」
「西の浮島は西洋ですね」
「欧州全体だな」
「そしてこの東の浮島は」
 この場はというと。
「日本の趣です」
「そうなっているな」
「大きさは同じ程ですが」
 陸地の面積も湖のそれもそうなっている、それで人口も同じ位なのだ。ただし気温は東の浮島の方が過ごしやすい。
「ですが」
「この浮島は日本だな」
「ですから」
「日本の中に入ったからだな」
「キリスト教も」
 そして教会もというのだ。
「日本です」
「そうなっているな」
「はい、そして」
 そのうえでとだ、謙二は英雄にさらに話した。
「他の宗教もです」
「何かとだな」
「長崎の中華街もでしたね」
「あちらもか」
「何でも下の世界の中国から来られた方々ですが」
「華僑だな」
「何でも世界が石化され」
 二つの浮島以外の世界の話もだ、謙二は話した。
「海に覆われる前ですが」
「世界は動いていてな」
「中国もあり」
「そこから来た者達だな」
「華僑はこの世界でも世界中に存在していて」
 そうしてというのだ。
「日本にもです」
「来ているな」
「そうです、中華街がないのは」
 この世界ではとだ、謙二は英雄にさらに話した。
「アラブと韓国位だそうで」
「つまり華僑が少ない地域はか」
「この二つの地域は」
「どうしてもだな」
「この世界の中国人は馴染めないとか」
「確か俺達が起きた世界でもアラブには華僑は少ない」
 これは一説にはアラブはイスラム圏であり豚肉を食べることを禁じている、このことが中華料理で豚肉をよく使う中国人に馴染めないからこの地域には華僑が少なく彼等の拠点である中華街もというのだ。 
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