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レーヴァティン

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第百三十二話 二手に分かれその八

「わかった、ではな」
「このままたいな」
「豊前を攻めていき」
「その後でたいな」
「豊後もだ」
 この国もというのだ。
「その様にしてだ」
「攻めていくたいな」
「そうする、そして豊後の次はな」
「日向たいな」
「そうなる、だが」
 ここで英雄はこうも話した。
「日向までは急でもいいが」
「あの国ば攻め取るまでは」
「しかし日向からな」
 さらにと言うのだった。
「大隅はな」
「あの国はたいな」
「俺達が肥後を抑えてからだ」 
 それからのことだというのだ。
「その前に種子島を押さえてもらう」
「大隅ば攻める前に」
「そうしてもらう」
「あの島たいか」
「あの島は九州最大の鉄砲の産地だ」
「毎月かなりの鉄砲が造られてるらしいね」
 奈央も言ってきた。
「そして九州の軍勢に運ばれてるね」
「その鉄砲の産地をだ」
「押さえるのね」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「あの国の力の一つを奪う」
「そうするのね」
「あちらはな、そしてだ」
「敵を薩摩と大隅に追い詰めて」
「琉球の種子島も奪ってだ」
 敵からというのだ。
「そうしてからだ」
「薩摩と大隅も攻め取るんだね」
「そうする、いよいよだ」
 まさにというのだ。
「そこまで至ってからな」
「薩摩も大隅も土地は痩せていますが」 
 謙二はこの国自体の話をした。
「ですが」
「それでもだな」
「その分薩摩芋が植えられ」
「それを食ってだな」
「糧はあります」
 米はあまり得られないがというのだ。
「そしてその富がです」
「あるな」
「そうです、やはりお米があまり収穫出来ないことは大きいですが」
「それはそれでな」
「富を得る手段はあり」
「それが薩摩芋だな」
「あの作物とジャガイモは痩せた土地でも育ちます」
 そうした作物だからだというのだ。
「寒冷な場所でもそうで」
「そして薩摩の様なな」
「火山灰の国でもです」
 この世界でも薩摩や大隅はそうした国土だ、桜島が常に噴火していてそのせいでそうなってしまっているのだ。
「育ちます」
「いい作物だ」
「あるとないとで」
「全く違うな」
「どちらも」
 薩摩芋もジャガイモもというのだ。
「そしてこの浮島ではです」
「どちらもあるな」
「それだけにです」
「薩摩や大隅もな」
「糧もあり」
「豊かさもです」
 これもというのだ。 
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