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おぢばにおかえり

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第五十六話 卒業式の前その一

               第五十六話  卒業式の前
 いよいよ三月になりました、この日たまたま詰所にお母さんが来ていまして学校の授業の後で詰所に行くと早速言われました。
「卒業して暫くは実家にいるけれど」
「それでも入学したらね」
「詰所にいるわね」
「もうお部屋も決めてもらったの」
 三階にです、ここは女の人の場所です。
「有り難いことにね」
「それはよかったわね」
「ええ、今度はここで四年ね」
「頑張りなさいね」
「ええ、大学に入ってからもね」
 おぢばにいることになったからにはです。
「頑張って勉強していくわ」
「そうしなさいね」
「大学四年頑張って」
 そうしてでした。
「それからはね」
「教会に戻るの?」
「それがね」
 ちょっと、でした。
「まだ決めてないの」
「おぢばに残るか大教会に入らせてもらうの」
「どうしようかしら」
「じゃあそこはね」
 どうかとです、お母さんは私に言いました。
「これからお家でお話していきましょう」
「お家のことだから」
「そう、だからね」
 そうしてというのです。
「今はまだね」
「言っても仕方ないことなのね」
「大学を卒業する時になったら」
「その時にお話するの」
「そうしましょう」
 これがお母さんの考えでした。 
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