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レーヴァティン

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第百三十一話 追撃戦その十二

「まさにな」
「ほんまやな」
「幽霊の正体見たりだ」
「そういうことやな」
「軍で美味いものを食ってもだ」 
 例えそうしてもというのだ。
「構わない」
「出来る限りな」
「そんなことを言う奴は自分がまずいものを食うか」
「それで満足するか」
「文句ばかり言う奴等だ」
 それならというのだ。
「飯がまずいとな」
「それで言うな」
「そういうものだ」
「美味いものを食べんとたい」
 香織もお握りを食べつつ話した。
「やっぱり元気が出んとよ」
「それも充分にな」
「そうたい、うちは博多ラーメンと」
 それにというのだ。
「お寿司もたい」
「それもか」
「大好きたい、鶏の水炊きやお刺身も好きたいが」
「寿司の方が好きか」
「だからたい」
 それでというのだ。
「お寿司を食べると元気が出るたいが」
「それでもだな」
「美味かもん食べるなとか言われたら」
「戦場で寿司を食うな、か」
「流石にお寿司は戦場では無理でも」
 それでもというのだ。
「美味かものはたい」
「食いたいな」
「そう思うのが人情たいが」
「それをするなというのはな」
「やっぱりおかしな」
「そうしたおかしな連中の言うことは無視する」
 英雄の考えは明確だった、そして簡潔でもあった。
「完全にな」
「最初から」
「そう言う奴に限って自分は美味いものを食いたがる」
 他人、自衛官の食事に文句をつけつつだ。
「そして自分が少しでもそれを阻害されると」
「怒るのは目に見えてるとよ」
「それこそこの世の終わりの様にだ」
 そこまでというのだ。
「怒り狂う」
「そうするたいな」
「そんな連中の言うことなぞ」
「聞く価値ないたいな」
「屑でしかないからな」
 そうした輩はというのだ。
「もう一切だ」
「聞く価値ないたいな」
「だからいい、どうせ何の役にも立たない」
 英雄はこうも言い捨てた。
「そのうち放り捨てられてヘドの中に落ちてだ」
「ヘドロたいか」
「その中で腐っていって腐り果てて」
「終わるたいか」
「腐った奴はそれに気付かないと何処までも腐り」
 そうなってというのだ。
「誰も近寄らなくなりさらに腐り」
「腐り果ててたいな」
「消え去る、ヘドロは腐りはじめはまだ生物がいるが」
「腐り過ぎるとたいな」
「もう生物は住めなくなる」
 あまりにも腐り過ぎてどうにもならない様な状況になってだ。そうしてどの様な生物もいられなくなってしまうのだ。
「そうした連中はな」
「そのヘドロに落ちるたいか」
「だからだ」
「無視するたいか」
「ただ嘘等を吹聴するならその都度な」
「嘘を論破するたいな」
「それを世に知らしめる、害毒は拡散させない」
 それはさせないというのだ。
「周りに害が及ぶからな」
「だからたいな」
「そう考えている、ではな」
「これからはたいな」
「軍を二つに分け」
 そうしてというのだ。
「攻めていく」
「わかったとよ」
 こうしてだった、英雄は追撃戦で目標以上の戦果を挙げたがそれで終わらずにだった。次の手を考えそれを実行に移すのだった。


第百三十一話   完


              2019・9・23 
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