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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その二十四

「興味はありません」
「贅沢にはか」
「そうなのです、しかし」
「政治についてはか」
「野心があります」
 そちらにはというのだ。
「このことは否定しません」
「己の栄耀栄華には興味がなくともだな」
「栄耀栄華は私にとってはしようと思えば」
「少しでだな」
「適えられます、それに幼い頃よりです」
「資産もあってか」
「生活に不自由したことはありません」  
 アウトカースト層にも階級がありジャバルはその中の高位にありそして資産も持っている階級だからだ。
「そのこともあり」
「個人の贅沢は」
「何もないです」
 全く、というのだ。
「興味は、しかし政治については」
「野心があり、か」
「それを適えたいと思っています」
「そちらはだな」
「これも所詮は神々の一夜に過ぎません」
 その中でのこととだ、ジャバルは悟りきった口調であった。そこには達観もあった。
「しかしです」
「政治についてはか」
「野心があります」
「マウリアを変えたいか」
「私が理想とするマウリアにです」
「カースト層とアウトカースト層を一つにしてか」
「はい、一つにしたうえで」
 そしてというのだ。
「さらに発展させて」
「アウトカースト層がだな」
「社会進出、いえ復帰を果たす」
「そうした社会にしたいのだな」
「そう考えています」
「カースト制を壊すつもりはないか」
「私は革命家ではありません」
 ジャバルはクリシュナータにこう答えた。
「決して」
「そう言うのか」
「はい、革命なぞ起こしてもです」
 二十世紀までは持て囃された言葉だ、腐敗した絶対権力に対する市民だの人民だのが蜂起し戦いを挑み勝利を収めるストーリーはというのだ。
「犠牲者が多いうえに」
「社会の急激な変革はだな」
「様々な歪をもたらします」
「人類社会では二十位正規前半まであったな」
「そうしたことになりますので」 
 だからだというのだった、クリシュナータに。
「革命はです」
「考えていないか」
「カーストはカーストでいい制度です」
「社会秩序を構成するな」
「職業分化になっている」
「だからだな」
「それは否定しません、しかし」 
 それでもというのだった。
「一つ重要なことは」
「アウトカースト層のことか」
「彼等の権利をです」
「拡大してか」
「階級はあろうとも」
「人権等はか」
「公平にして」
 そしてというのだ。
「適材適所がです」
「カーストの中でもか」
「出来てです」
「人材活用がこれまでも合理的jに出来るか」
「そうしたマウリアにしたいです」
「政治の面でもだな」
「官僚、政治家になるカーストもありますが」
「彼等だけではなくか」
「これまでも流石にカーストでもそこまでされていませんでした」
 特定のカーストのみが政治家や高級官僚を独占する事態はというのだ。
 
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