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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その三十

「何の意味もないからな」
「だからですか」
「どんな手段を取ってもですね」
「犯罪者を検挙していく」
「犯罪組織も壊滅させていくのですね」
「その為にはいかがわしいホテルを買い取ろうが盗聴器を仕掛けようが構わない」
 一切というのだ。
「結果を出してこそだからな」
「それが全てですね」
「警察にとっては」
「それだけなのですね」
「市民に愛されなくてもいいが犯罪者達には恐れられる」
 リンクはメタリックなものさえある響きで述べた。
「そうした存在であるべきなのだ」
「警察はですね」
「そうあるべきであり」
「徹底してですか」
「これからも犯罪者達を検挙していきますか」
「そうして犯罪の芽もだ」
 それもというのだ。
「潰していく、いいな」
「それも虱潰しにですね」
「徹底してですね」
「そうしていく」
「そうなのですね」
「そうだ、容赦する必要はない」
 一切の犯罪行為に対してというのだ。
「わかったな」
「それではですね」
「我々もですね」
「徹底的に行っていく」
「そうあるべきですね」
「躊躇は無用だ」
 犯罪者達の検挙についてはというのだ。
「どの様な行為でもだ」
「犯罪者を検挙する為なら」
「一切ですね」
「一般市民に危害を加えてはならないが」
 それでもというのだ。
「彼等にはだ」
「わかりました、ではです」
「我々も徹底的にしていきます」
「犯罪者達には容赦せず」
「検挙していきます」
「ただし手段を選ぶなと言ったが」
 こうもだ、リンクは言った。
「連合の様に野蛮なことはしないことだ」
「あの様にですね」
「すぐに重火器を持ち出す様な」
「そうしたやり方はですね」
「しない、下品な衆愚はすぐに力に訴える」
「しかしですね」
「我々は」
「貴族だ」
 やはり鋭い目で言う。
「ならわかるな」
「手段は選ばずともですね」
「それでもですね」
「暴力には訴えない」
「すぐには」
「力を使うことは最後の最後だ」
 まさにそうしたものだというのだ。
「それまでに頭を使うことだ」
「頭を使いそうしてですね」
「犯罪者達の裏をかく」
「そうして証拠を掴み迅速に動き」
「相手が対処する前に捕まえてしまうのですね」
「ポワロになるのだ」
 エルキュー=ポワロだ、ベルギー生まれの探偵であり安楽椅子に座ったままその頭脳で事件の謎を解いていく頭脳派の探偵だ。
「ソーンダイク博士でもいいがな」
「科学的捜査ですね」
「そうしたやり方もいいですね」
「しかし最初から力だけを使うことはだ」
 それはというのだった、あくまで。
「してはならない」
「あくまで頭脳」
「そちらですね」
「犯罪者は頭脳で攻め追い詰め」
「そして逮捕すべきですか」
「治安の維持も同じだ」
 そちらもというのだ。 
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