星河の覇皇
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第七十二部第四章 気付きだした者達その二十四
「だからだ」
「閣下の方針でしたね」
「マフィアには容赦しない」
「だからこそですね」
「それも許可する」
重火器の使用もというのだ。
「宇宙空間に拠点がある場合もだ」
「警察の艦艇を使い」
「攻撃を許可する」
それもというのだ。
「私の責任においてな」
「とかく徹底的にですね」
「軍隊も動かす」
警察だけでなく、というのだ。
「そして徹底的に行っていく」
「マフィアの掃討をですか」
「掃討には容赦しない」
それも一切というのだ、王は犯罪組織へのこれまで以上に厳格な取締を主張して大統領となった。だから今回もこう言うのだ。
「そうでもしないとだ」
「一掃出来ないですか」
「だからだ、しかし相変わらずだな」
「はい、犯罪組織というものは」
官僚も話す。
「完全にはなくなりません」
「減りはするがな」
「なくすべきですが」
「そうはいかない」
「完全には」
「一つや二つ倒してもだ」
「次から次に出て来ますね」
「モグラ叩きだな」
この時代も様々なバリエーションアップを経て存在しているゲームだ、王も子供の頃よく遊んだゲームである。
「まさに」
「一つの組織を掃討してもな」
「次の組織が出てきますね」
「犯罪者は完全にはなくならない」
「減らせは出来ますが」
「特に民主主義国家ではな」
つまり連合の様な国ではというのだ。
「一人の独裁者の強権で掃討出来ないからな」
「どうしてもですね」
「独裁国家では容易な様だが」
「ナチス=ドイツやソ連ですね」
「そうした国では犯罪者とみなせばそれで終わりだ」
「収容所送りか死刑」
実際にそうしてナチスは治安を回復させた面があった、ワイマール体制下のドイツはフリッツ=ハールマン等の異常犯罪者が多くいたがナチス政権誕生後消え去った。ヒトラーが彼等を含めた犯罪者を強権で一掃したからだ。
「そうしてですね」
「私も徹底的にしているが」
「大統領の権限で」
「そうだ、大統領の権限は大きいが」
シンガポール大統領のそれはだ、この国の国家元首である大統領の権限は連合の他国に比べて強い。
しかしだ、そのシンガポール大統領でもというのだ。
「出来ることはな」
「限られていますね」
「独裁者ではない」
くれぐれもというのだ。
「そもそも私もだ」
「独裁者はですね」
「嫌いだ、民主主義が好きだ」
だからだとだ、王は言い切った。
「連合の人間だからな」
「サハラによくいた様な」
「ああした独裁者ではない」
断じてというのだ。
「だからだ」
「あくまで大統領の権限内であり」
「責任もな」
「そこからは出ないですね」
「絶対にな」
それこそというのだ。
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