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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その十九

「我々にとっては実に厄介です」
「証拠も掴ませませんし」
「何ともです」
「厄介な話です」
「そのこともありますし」
 そしてというのだった。
「エウロパの復興はとかく順調です」
「むしろ順調過ぎます」
「このまま発展に移ることは間違いありません」
「それを止められない」
「このことも厄介です」
「実に」
「中央政府としてはです」 
 伊東はここで彼等のことを話に出した。
「エウロパ以上にです」
「以上に?」
「以上にといいますと」
「連合を発展させたい様です」
 それが彼等、中央政府の考えだというのだ。
「彼等の発展以上に」
「さらにですか」
「彼等以上にですか」
「我々が発展する」
「そうあるべきだと」
「はい、ここにきて我々の人口増加率はさらに伸びています」
 人口は国力に直結する要素の一つである、この時代においてもこのことは変わることがない。
「ですから」
「その人口増加に合わせ」
「総生産もですか」
「さらに上げる」
「そうするのですか」
「エウロパの人口はまだです」
 彼等のそれはというと。
「惑星開発、開拓が確かにならなければ」
「エウロパ内のですね」
「それがですね」
「確かにならなければ」
「到底ですね」
「はい、増やせません」
 人口統制政策は維持しなければならないというのだ、まだ。
「ですが我々は違います」
「ここにきてさらに増えている」
「だからですね」
「人口を更に増やし」
「それに合わせて総生産も増やす」
「そうしていくのがですね」
「中央政府の政策ですね」
「その人口ですが」
 伊東はこれの話をさらにした。
「百年後には十二兆に達します」
「十二兆ですか」
「三倍ですね」
「百年後には三倍」
「それはかなりですね」
「二倍でも多いというのに」
「ですから」
 それでというのだ。
「ここにきてそれですから」
「総生産もですね」
「増やせる」
「それが中央政府の考えですか」
「はい、敵の発展が止められないなら」
 それならばというのだ。
「こちらはです」
「敵以上に発展を遂げる」
「そうすればいいのですね」
「まずは」
「そうすれば」
「それが中央政府の考えの様です、そして」 
 伊東はさらに言った。
「それは妥当ですね」
「その通りですね」
「敵の妨害が出来ないのなら」
「我々がですね」
「発展すればいいだけですね」
「むしろそちらが正道ですね」
 政治としてはというのだ。 
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