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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その十七

「ブラックボックスにデータの消去に」
「工作員が連合に入るか」
「そのことも気になりますね」
「以前の様にそうしてくるか」
「それが有り得るので」
「国境ですね」
 連合とマウリアの国境、そこをというのだ。
「エルロパ工作員が入ってくるとすれば」
「バチカン経由は潰したので」
「だからですね」
「連合に入るとなるとマウリア経由」
「もうそれしかないので」
「そのルートに用心する」
「そうすべきですね」
 こう話すのだった、口々に。
「まことにあの国だけはです」
「工作が得意です」
「あれだけ工作が得意な国はありません」
「まさにスパイの国ですな」
 連合もスパイが多い、連合の各国家間でそれを行っているのだ。しかしこれは産業スパイがかなり多く軍事的なものはないと言っていい。
「だから懲りもせずまた来ますか」
「マウリアから連合に入りますか」
「そしてまた諜報や破壊工作を行う」
「そうしてきますな」
「再び」
「そうした国かと」
 伊東も言う。
「やはり、ですから」
「中央政府に話しておきますか、このことは」
「我々の厄介にもなりますし」
「だからですね」
「そのことは注意して」
「我々のところに入らない様にする」
「そうしておきますか」
「ジャバル主席は」 
 彼ならばともだ、伊東は話した。
「おそらくです」
「工作を好んで行いますね」
「連合にそうしたことも」
「何かとですね」
「そうしてもきますね」
「二十代で政府の代表になるには」
 それこそというのだ。
「相当な策略もです」
「確かに必要ですね」
「政策や魅力だけでなく」
「そうした裏の力も必要ですね」
「やはり」
「それが現実です」
 政治のそれだとだ、各国の首脳達も言う。
「ではですね」
「あの主席殿は謀略もお持ちですね」
「そして使われてきていて」
「我々に対してもですね」
「使われますね」
「そうでしょう、あの方はそれだけに警戒が必要です」
 伊東はあらためてこうも言った。
「これまでのマウリアの人物の中でも」
「特にですね」
「問題になる人物ですね」
「我々にとっても」
「そうした御仁となりますね」
「猛禽、いえ」
 ジャバルをだ、伊東はこうも評した。
「より危険な」
「そうした人物ですか」
「猛禽以上にですか」
「危険な人物ですか」
「我々にとっても」
「余計に情報収集が必要ですしエウロパを入れようとするのなら」
 連合の中に彼等の工作員をというのだ。
「我々も対します、ましてやエウロパは近頃」
「思った以上にですね」
 グリーニスキーが伊東に応えて述べた。 
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