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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その十三

「一つ思うことは」
「何でしょうか」
「それが国に利益になるなら」
「それならですか」
「はい、乗るべきだとです」
「思われますか」
「私は」
 伊東は笑みを浮かべ王に述べた。
「そう考えています」
「そうなのですか」
「王大統領は違うのですね」
「利用されることはです」
「プライドに関わる」
「利用することはいいとしまして」
 それでもというのだ。
「シンガポールとしてです」
「国家としてですか」
「はい、利用されはしません」
 利用してもというのだ。
「そう考えています」
「だからですか」
「ジャバル主席が将来マウリアの主席になられ」
「そう動かれても」
「利用されはしません」 
 決してというのだ。
「そう考えています、しかしあの主席殿は」
「ジャバル主席は」
「私から見てもかなり厄介な方です」
 そうだというのだ。
「英傑と言うまでの」
「味方であればいいのですが」
 少し考えてだ、グリーニスキーが述べた。
「しかしですね」
「敵であるならば」
 マックリーフも警戒する目で述べた。
「危険ですね」
「全くです、有能な味方は頼もしく」
 李も述べた。
「有能な敵は危険です」
「有能であればある程ですね」
「貴女の様に」
 伊東にだ、李は言葉を返した。
「そうなりますね」
「おや、私ですか」
「はい、貴女も味方である時はです」
「頼もしいですか」
「しかし敵である時は」
 その時はというと。
「強敵ですから」
「そう言われますか」
「常に味方であって欲しいものです」
「全くですな」
 マックリーフは李に同意して伊東に顔を向けて言った。
「私としましても」
「私は味方であって欲しい」
「そうです、常に」
「私も敵は欲しくないです」 
 伊東は少し微笑んでだ、マックリーフだけでなく李にも返した。そしてそのうえでさらに言ったのだった。
「出来る限り」
「敵は少ないに限る」
 縮れた髪にグレーの目のやや小柄な男、ペルー大統領であるサンターナ=コインブラが伊東に応えた。
「そうですね」
「はい、常にです」
「それはどの国でもそうですね」
「ですから私も」
 伊東にしてもというのだ。
「そうなる様にしていますが」
「では」
「はい、私もどなたも敵に回したくないですね」
「ですね、全くです」
「本当にそう思います」
 マックリーフと李も話した。 
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