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麗しのヴァンパイア

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第百八十五話

                 第百八十五話  翌朝
 華奈子と美奈子が起きると父はすっきりした顔でキッチンにいた、華奈子はその父の顔を見て言った。
「お酒飲んでたのに」
「昨日の夜だな」
「その割にすっきりしてない?」
「それはな」
 父は華奈子に笑顔で話した。
「朝早く起きたからお風呂に入ったんだ」
「そうだったの」
「そういえばお父さんいい匂いがするわ」
 美奈子はこのことを指摘した。
「随分と」
「そうだろ、朝早く起きたんだが」
 それでもとだ、父は美奈子にも話した。
「二日酔いで頭が痛かったんだ」
「やっぱりそうなったのね」
「それでな、無理してベッドから出て」
「お風呂に入ったの」
「そうだ、そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「身体も洗ってお湯に入って」
「そうしたらなのね」
「すっきりしたんだ」
「お風呂に入ると二日酔い治るっていうのは」
 華奈子はここで言った。
「本当なのね」
「そうだぞ、もうすっきりするからな」
「そうなるのね」
「お湯の中で汗をかいて」
「あったまって」
「一旦出て冷たいシャワーを浴びるんだ」
「冷たいシャワーって」
 そう聞いてだ、華奈子は思わず言った。
「風邪ひかない?」
「身体が熱くなっていたら大丈夫だ」
「そうなの」
「ああ、そして身体を冷やしてまた入るんだ」
「それだとサウナみたいね」
 美奈子は父のその話を聞いて言った。
「それだと」
「実際にそんな感じだぞ、サウナも二日酔いにいいんだ」
「そうなのね」
「そうしてお風呂でお酒を抜いたからな」
 それでというのだ。
「もう大丈夫だ」
「そうなのね」
「今日は一日いい休日を過ごすか」
 父はこうも言った、だが。
 母に二日酔いのことで少し小言を言われていた、華奈子と美奈子はそんな父を見ながら朝食の席に着いた。


第百八十五話   完


                2019・8・16 
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