| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百三十五話 焼き肉食べ放題その八

「斎藤君とか山南君とか呼んで」
「あれがな」
「雰囲気があるね」
「独特のね」
「新選組もな」
「志士の間でもそう呼び合っていたしね」
「高杉晋作さんがな」
 その彼がというのだ。
「龍馬さんを坂本君って呼ぶよな」
「そしてそれがね」
「独特の雰囲気でな」
「いいね」
「幕末ものの小さなことでも」
「雰囲気を醸し出す一つの要素だよな」
 この君付けの呼び方もというのだ。
「それまでは何々殿だったのにな」
「それがこの時期辺りから」
 幕末からというのだ。
「そう呼ぶ様になったんだよね」
「それがいいな」
「幕末って感じでね」
「それで料亭でな」
 友人はハチノスを食べつつさらに話した。
「会合開くんだよな」
「そうそう、志士はね」
「新選組もそうしていたな」
「お酒飲みながらね」
 そうしてだった、所謂料亭政治というものはこの時代の志士達が料亭で会合を開いて話していたことからはじまるのだ、
「食べるもの食べて」
「それのはじまりだな」
「一時期廃れていたけれど」
 二十一世紀の頃はそうだった、そうした政治はよくないという風潮が出てそうなったのだ。
「今じゃね」
「普通に皆してるよな」
「それも日本だけじゃなくてね」
「連合全体でそうしているな」
「そうだよね」
 まさにというのだ。
「そこは」
「そうだよな」
「まあね、その料亭で話しながら色々話すのも」
「幕末ものの趣だよな」
「君付けでの呼び合いとね」
「あれがいいな、しかし思うことは」
 ここでだ、友人はこうも言った。
「話す時は食ってもな」
「まあ飲まないね」
「飲んでも口を付ける位か」
「さもないと」
「政治の話が出来ないからね」
「大事な打ち合わせとかもな」
 どうしてもとだ、さらに飲みつつ言う友人だった。
「出来ないからな」
「話をしている間は抑えて」
「その後でな」
「飲むのなら」
「飲んでいたな」
「そうだよな」
「そうしていた筈だよ、まあ芹沢鴨は」 
 その彼はというと。
「朝から飲んでいたらしいけれど」
「あの人酒乱だったのは事実でな」
「うん、けれどやっぱり真面目な話の時は」
 その芹沢鴨もというのだ。
「そんなに飲んでいなかった筈だよ」
「そうだよな」
「そう、やっぱりね」
「しかし。悪役になることが多い人でも」
「それでも実はだね」
「あながちどうしようもない人じゃなくて」
 それどころかというのだ。
「結構凄い人だったんだな」
「乱暴狼藉で暗殺されたんじゃないみたいだよ」
 このことで新選組を預かる会津藩の方から近藤達に話がいってだ、暗殺されたというのが新選組のドラマの芹沢暗殺事件のよくあるパターンだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧