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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十六話 ビロードその二

「あの服もね」
「当時は高価な服だったのネ」
「凄くね、奉行だったから」
 当時の土方歳三はだ。
「中将位でね」
「それはまた偉いわネ」
「大臣クラスだったから」 
 アメリカで言うと長官だ、国防長官とか国務長官とかだ。
「そうした服だったんだ」
「格式に合わせた服だったのネ」
「うん、だからね」
 それでだ。
「維新から洋服が入るけれど」
「高い服だったノ」
「徐々に広まっていったけれど」
 それでもだ。
「ずっとそうだったんだ」
「成程ね、私としてハ」
 ここでジューンさんはこうも言った。
「和服、着物の方がネ」
「高いって思うよね」
「それは今なのネ」
「うん、今着物の方がね」
「高いかラ」
「特に振袖なんか」
 こちらの和服、着物になるとだ。
「それこそ」
「うん、それとネ」
「それと?」
「振袖に袴で靴ノ」
 ジューンさんはこの服装の話もしてきた。
「あれが好きだけれド、維新の服なラ」
「あの服維新の頃の服じゃないよ」
「そうなノ」
「あの服は大正時代の服だよ」
 だから大正ロマンの象徴とされている。
「だから時代は後だよ」
「そうだったノ」
「女学生の人達が学校に通う時に着ていて」
 当時は制服もなくてだ。
「それでおかしなことされない為に」
「可愛い服を着たノ」
「当時は可愛くなかったんだ」
「可愛いでしョ」
「いや、当時の感覚は違っていて」
 このこともだ、僕はジューンさんに話した。
「言うならいい歳した女の子がドカタの人の服着て歩いてる」
「そんなの風だったノ」
「だからもう可愛いどころか」
 そんな感覚はなくてだ。
「何これっていう位ね」
「酷い恰好で歩いてたノ」
「そんな風だったんだ」
「だからおかしなことされなイ」
「そうなっていたから」
 それでた。
「当時とは違うんだ」
「そうなのネ」
「それでね、あの服は大正で」
 僕はジョーンさんにあらためて話した。
「明治はなかったんだ」
「そうなのネ」
「あの頃女学校っていうのは」
「なかったノ」
「今みたいな教育も形作る時で」
 本当にそのはじまりでだ。
「それでね」
「女学校とカ」
「まだまだね」
「これからだったノ」
「まだ大学もなかったから」
 本当にこれから作る頃だった。
「中学や高校も形が違ったから」
「中学は五年ネ」
「そう、戦前はそうだったから」 
 それでだ。
「それで高校は三年だったんだ」
「合わせて八年ネ」
「小学校が六年でね」
 合わせて十四年となる。 
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