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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十六話 ビロードその一

               第二百四十六話  ビロード
 僕は休憩になって暫くはどうしようかと思っていた、すると後ろから声をかけられた。
「義和?」
「その声は」
 声に振り向くとだった。
 ジョーンさんがいた、ジューンさんは僕に笑顔で言ってきた。
「やっぱりネ」
「うん、今は休憩でね」
「それなノ」
「何処に行こうかって思ってたけれど」
「それならネ」
 ジューンさんは僕の言葉を聞いてこう言ってきた。
「仮装コーナー行かなイ?」
「仮装?」
「幕末や明治の服を着られるノ」
「そんな場所もあるんだ」
「そう、新選組になっテ」
 そうしてというのだ。
「龍馬さんにもなれるシ西郷さんにモ」
「西郷さんっていうと」
「西南戦争の時ノ」
 その時の西郷さんだというのだ。
「黒の詰襟の軍服のネ」
「ああ、あの時の西郷さんね」
「そう、あと銅像ノ」
 東京の上野にあるあの銅像とのことだ。
「西郷さんの服もあるらしいかラ」
「色々あるんだね」
「お了さんもあるわヨ」
「坂本龍馬さんの奥さんだね」
「あの人の服もあっテ」
 ジョーンさんは僕にさらに話してくれた。
「他にも色々とネ」
「幕末維新の服があるんだ」
「そのコーナーに行かなイ?」 
 僕に笑って誘いをかけてくれた。
「今かラ」
「それじゃあね、面白そうだし」
「行こうネ、ただネ」
「ただ?」
「いや、日本の服って色々ネ」
 ジューンさんは笑って僕にこうも言ってきた。
「時代によって本当に違うネ」
「それどの国でもだと思うけれど」
「アメリカもうそうだけれド」
 ジューンさんのお国もというのだ。
「日本は歴史が長い分ネ」
「色々な服があるっていうんダ」
「そう、幕末と明治で服全然違うシ」
「文明開化だからね」
 そこで西洋文明が一気に入ってだ。
「それでね」
「服が一変するのネ」
「洋服が入って」
 それでだ。
「一気に変わるんだよ」
「そうなのネ」
「洋服はね」
 僕はジューンさんにこの服の話もした。
「当時は上流階級だけのね」
「服だったノ」
「そうなんだ、高かったから」
 入りたての服だった、デザインする人も作る人もとても少なかったから高くなってしまうことは当然のことだった。
「だからね」
「上流階級の人がなノ」
「あとお役人だね」
「ああ、制服で着てたわネ」
「軍服だってそうだし」
「西郷さんが着てタ」
「ごく限られていたんだ」
 維新の頃洋服を着ている人達はだ。
「本当にね」
「そうだったのネ」
「土方歳三さんの服もあると思うけれど」
 幕末の服というとだ、この場合は新選組ではなく戊辰戦争で函館の時にあの人が着ていた軍服のことだ。 
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