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ほのかに甘くHOLIDAY

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第四章

「そんなことを言うんだよ」
「けれど私って本当に」
「ブスだって言わないよね」
「奇麗とか可愛いとか」
「そういうことはないっていうんだ」
「絶対にないわよ」
 こう僕に言ってきた。
「本当に」
「それがおかしいよ、僕から見ればね」
 僕の本音だ。
「こんな可愛い娘いないから」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
 それでと言うのだった。
「そんな娘と僕が一緒にいられるなんて」
「また大袈裟よ」
「いや、そのことがね」
 今も心から思うことだ。
「嘘みたいだよ」
「嘘じゃないわよ」
 その笑顔で僕に言ってきた、ラフナ恰好だけれどその風そうも可愛い。
「だって頬っぺた抓ると痛いでしょ」
「そうだね」
 今抓ると本当に痛かった。
「痛いよ」
「だからね」
「嘘じゃないんだね」
「全部ね」
 まさにというのだ。
「そうなのよ」
「現実だから」
「だからね」
 それでと僕にまた言ってきた。
「今もデートしてるし」
「そうだよね」
「それで次は何処に行くの?」
「駅前の百貨店に行って」
 さっきまで喫茶店にいた、そこでその店で評判の紅茶を飲んだ。紅茶は評判通りかなりの味だった。
「屋上行かない?」
「百貨店の」
「そこの屋上色々あるんだ」
 学校帰りによく行ってこのことは知っている。
「ラーメンとかフランクフルトとか売ってて」
「そうしたものがあるのね」
「うん、ゲームも多いし」
「色々あるのね」
「そうだよ、行ったことなかったんだ」
「駅前の百貨店には行ったことがあるけれど」 
 それでもとだ、彼女は僕に答えてくれた。
「屋上はね」
「行ったことがなかったの」
「そうだったんだ」
「ええ、だから今回行ったら」
 そうなったらというのだ。
「はじめてになるわ」
「じゃあそのはじめての場所にね」
「今からだね」
「行きましょう」
「それじゃあね」
 二人でこう話してだ、僕は彼女を案内して。 
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