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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その三十八

「連合軍の数や優れた技術による装備をです」
「それによる劣勢を覆さんとしている」
「そうした軍隊です」
「精鋭か」
「常に鍛えている狼です」
 エウロパ軍、彼等はというのだ。
「連合軍は太った羊達ですが」
「羊達を武装させただけか」
「はい、しかしです」
「エウロパ軍は狼か」
「鍛えられた」
 只の狼ではなく、というのだ。
「現にエウロパ戦役で連合軍だけなら」
「あそこまでの圧勝はなかったな」
「義勇軍を先頭に立てたからです」
 それこそ常にだ、連合軍はサハラの難民達から編成した義勇軍戦乱の国から来た彼等にさらに徹底した訓練を施し連合の装備を与えたうえで戦わせてういたのだ。正規軍に出来ない激しい訓練が常だった。
「百個艦隊の精鋭達を」
「攻める時はな」
「常に立てていてです」
「羊達を守っていたか」
「エウロパ軍を狼としますと」
 ジャバルはまたこう話した。
「義勇軍は虎です」
「狼以上だな」
「はい、その虎達をです」
「さらに武装させてだな」
「常に前に出していたので」
 ほぼ全ての戦いでだ、そうしていたのだ。
「だからこそです」
「あそこまでだな」
「勝てたのです」
「それは誰もが言うな」
「そうですね、事実ですから」
 紛れもなく、というのだ。
「ですから」
「だからか」
「あそこまで勝てたのです」
「若し連合軍だけなら」
「とてもです」
「あそこまではか」
「勝てなかったでしょう」
 こう言うのだった。
「将兵の質が違い過ぎますので」
「私もそう思う」
「主席もですね」
「連合軍は弱兵だ」
「将兵共に」
「指揮官は凡庸な者ばかりだ」
「及第点ですが」
 指揮官としてだ。
「しかしです」
「及第点であるだけだな」
「兵士の練度も」
 そちらもというのだ。
「出来はしますが」
「出来るだけだな」
「訓練よりも身だしなみや掃除に熱心です}
 見栄えの軍隊とまで言われる位だ、とかく服装のチェックや居住区の清掃には時間をかけて熱心だ。しかしなのだ。
「訓練第一の筈が」
「そうしたことばかりしているな」
「そして市民との交流に」
 人気取りの一環としても行っている。
「軍規軍律への教育も徹底していますが」
「訓練はだな」 
 最も肝心のそれはというと。
「穏やかだな」
「あまりしていません」
「だから練度も及第でもな」
「及第であるだけです」
「それ止まりだな」
「はい」
 まさにというのだ。
「私もその目で見てきました」
「連合軍を」
「実にあっさりと基地に入れてくれて」
 マウリアの者でもだ。 
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