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八条学園騒動記

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第五百三十四話 宇宙の旅その十四

「博士セクハラとかしねえよな」
「性犯罪もな」
「一切だよな」
「したことはない」
 生まれて二百億年の間だ。
「全くな」
「そうなんだな」
「わしは人間の姿形をしておるが」
「人間じゃねえしな」
「そうじゃ、だからな」
「人間みたいな性欲とかもか」
「ない、食欲と睡眠欲はあるが」
 それでもというのだ。
「性欲はな」
「ないんだね」
「全くな、そしてじゃ」
 博士はさらに言った。
「そうしたことでの犯罪もじゃ」
「しねえな」
「全くな、そしてそんな話をしているうちに」
 ここで博士は目的地との距離をチェックしてから二匹に話した。
「そろそろじゃ」
「上野星系に着くか」
「そうなるんだね」
「早いのう、ではな」
「これからか」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「上野星系に入ってな」
「そしてだな」
「上野で見たいものを見るんだね」
「そうじゃ、わしは知らぬものはな」
 自分が知らない、そのことはというのだ。
「知りたくて仕方がないのじゃ」
「博士ってそうした性分だよな」
「いつもそうだよね」
「二百億年前からな」
 つまり生まれた頃からだというのだ。
「そうなのじゃ」
「それで博士になったのか?」
「いや、博士って二百億年前ないだろ」
「そういえばそうか」
「博士って最初はどんな名前だったのかな」
「名前は変わらん」
 博士は二匹の今の疑問にあっさりと答えた。
「別にな」
「天本破天荒ってか」
「その名前のままだったんだ」
「うむ、あとあらゆる博士号を持っていることもな」
 このこともというのだ。
「実は世界樹の管理人達の間でじゃ」
「博士だってか」
「言われてたんだ」
「そう定められたのじゃ」
「何かって思えば」
「そうしたことだったんだね」
「そうじゃ、誰も最近突っ込まなかったが」
 それでもというのだ。
「実はそうだったのじゃよ」
「成程な」
「僕達このこと今知ったよ」
「野上君には話したかのう」
 博士は首を傾げさせながら述べた。
「このことは」
「って覚えてねえのかよ」
「博士野上君にはお話していないんだ」
「では今度話そう」
「それじゃあな」
「そういうことでね」
「この話はこれで終わりじゃ、ではな」
 博士は二匹にあらためて話した。
「日本軍の軍艦が来たが」
「ああ、不法侵入だってな」
「はっきり言ってきてるね」
「博士が乗ってることもな」
「そのことも言ってるね」
「日本軍なぞ恐れるわしではない」
 胸を堂々と張っての言葉だった。
「ちょっと動けなくしてからじゃ」
「それからか」
「今から行くんだ」
「うむ、そうしてからじゃ」
 まさにと言ってだ、そうしてだった。
 博士は軍艦との戦いに入った、軍艦をメカラドンの百の頭から怪光線を出して動けなくしてだった。博士は上野星系の前橋という星に強行着陸を行った。


宇宙の旅   完


                  2019・8・2 
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