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八条学園騒動記

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第五百三十四話 宇宙の旅その九

「やっぱり」
「うむ、あらゆる生物の進化はな」
「無限なんだね」
「何処までも進化するのじゃ」
「そうなんだね」
「そして住んでおるその場にも適用もする」
 この要素もあるというのだ。
「やがてな」
「生物としてだね」
「犬も寒い地域では毛が長く濃くなる」
 防寒の為であることは言うまでもない。
「そして暑い地域では逆にじゃ」
「毛が短くなるね」
「そうなるのじゃよ」
「それで人もなんだね」
「その環境に適応するのじゃ」
 住んでいるその場所にというのだ。
「しかとな、そしてな」
「そしてっていうと」
「人はな」
「そこでも進化するのじゃ」
 環境に適応してというのだ。
「そうなるのじゃ」
「じゃあラドンはどういった変化かな」 
 ここでタロは今自分達が乗っているメカラドンのオリジナルのことを聞いた。百の頭を持つ不死身の巨大なドラゴンのことを。
「一体」
「林檎を護る為じゃ」
「林檎の?」
「ラドンは神話ではヘスペリアの林檎を護っておる」
「護衛なんだ」
「本来の仕事はのう」
 オリジナルのラドンのそれはというのだ。
「それでじゃ」
「ヘスペリアの林檎って確か」
「知っておるな」
「黄金の林檎だね」
「そうじゃ、食べると不死になるな」
「そして不老になる」
「神の食物じゃ」
 まさにそれだというのだ。
「それを守護しておるのは言ったな」
「それでかな」
「いや、おそらく生まれた時からな」
 ラドン、この怪物はというのだ。
「百の頭があった」
「そうなんだ」
「うむ、ただ大きさはな」
 ラドンのもう一つの要素であるそれはというと。
「別にじゃ」
「生まれた時はだね」
「大きくなかった」
「流石に子供の頃は小型だね」
「まだな」
 そうだったというのだ。
「そうだったのじゃ」
「成程ね」
「まあラドンはギリシアの精神世界の存在でな」
「博士とはだね」
「また別の世界の怪獣じゃから」
 それでというのだ。
「わしもそこまで詳しくはない」
「見たことはないんだ」
「あることはあるが」
 それでもというのだ。
「林檎の木を護っている姿を見たのでな」
「生まれた時は知らないんだ」
「そうじゃ、あとラドンは神と呼ぶなら」
 それならとだ、博士はさらに話した。
「そうなる」
「神様になるんだな」
「そうなんだ」
「両親は言うなら神じゃ」
 ラドンの父親のテューポーンも母親のエキドナもというのだ。 
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