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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その十八

 サントスはあらためてだ、軍人に命じた。
「連合中央政府及び主要国のジャバル主席に関する調査等の妨害を命じます」
「わかりました」
 軍人はエウロパ軍の、かつてのローマの敬礼で応えた。
「それではその様に」
「お願いします」
「すぐにかかります」
「はい、それでなのですが」
「何でしょうか」
「間も無くこちらにマウリア駐在武官首席が来られますね」
「到着されます」
 実際にという返事であった。
「今現在こちらに向かっておられます」
「左様ですね」
「上級大将になるとか」
「そうです」
「まさにですね」
「工作に関してもです」 
 マウリアにおけるエウロパ軍のそれもというのだ。
「最高責任者です」
「そうなりますね」
「まさに全てがです」
「私の指示で、ですか」
「動きますので」
 大使であるサントスのだ。このこともシビリアンコントロールに基づく。軍人は命令なくして動けないがその指示はエウロパでも文民が出すのだ。
「ですから」
「わかっています」 
 サントスも答えた、毅然として。
「ではまずは卿に出します」
「そしてですか」
「来られた閣下にもです」
「出されますか」
「そうします、連合の調査の妨害を」
「あらゆる手段を使って」
「サイバー攻撃を主に」
 具体的な妨害方法についても述べた。
「そうして下さい」
「それでは」
 軍人も応えた、やはりエウロパの敬礼で。そしてだった。
 サントスは考える顔でだ、こうも言った。
「しかし思うことは」
「と、いいますと」
「連合は中央政府はともかくとしまして」
「各国政府はですか」
「多くの国はマウリアには然程ですね」
「人を派遣していないと」
「はい、ですから」
「二人か三人位しかいないので」
 このマウリアに派遣している外交官はというのだ。
「特にですね」
「気にすることもありませんね」
「それはその通りですね」
 軍人もこうサントスに答えた。
「各国政府の場合は」
「流石に大国は違いますが」 
 連合のそうした国々はというのだ、具体的な国名を挙げるとやはりアメリカや中国、日本やロシアといった国々だ。
「そうなのですね」
「派遣しているだけですね」
「正規の外交官すら置いてないです」
 あいうだというのだ。
「あくまで、大抵ですが」
「大抵の国はそうですね」
「やはりです、あちらはです」
「連合内の外交に力を集中させているので」
「マウリアまではです」
「そうなっていますね」
「ですから情報収集といいましても」
 その内容はというのだ。 
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