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おぢばにおかえり

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第五十五話 おぢばのバレンタインその一

               第五十五話  おぢばのバレンタイン
 天理教は言うまでもなく日本の宗教です、ですからキリスト教に関係のあるバレンタインとは無縁の筈ですが。
 そのバレンタインデーが近付くにつれて周りから言われだしました。
「ちっち今年はどうするの?」
「誰にチョコレートあげるの?」
「誰にもあげないわよ。そもそもね」
 私は皆にどうかというお顔で答えました。
「おみちにバレンタイン関係ないじゃない」
「あれキリスト教の偉い人が死んだ日よね」
「確か聖バレンタイン?」
「キリスト教徒の人達を結婚させて自分は処刑されて」
「その人の命日っていうわね」
「どうチョコレートと関係しているのかしら」
「チョコレートは好きだけれど」
 それでもです。
「宗教違うし。それに私まだ寮にいるのよ」
「手作りチョコとかないっていうのね」
「そういうのは」
「そうよ、あげるにしても」
 本当にそれでもです。
「買ってね」
「それで終わりよね」
「学校で渡すこともね」
 結構そうした学校が多いことが事実みたいです。
「ちょっと、だし」
「それでよね」
「私誰かにあげたことは」
 中学校の時もです。
「ないわよ」
「作ってとかはないのね」
「お父さんや信者さんにあげたことはあるけれど」
 お母さんと妹達で、です。 
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