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八条学園騒動記

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第五百三十三話 天本博士と謎の集団その八

「造られる」
「その北欧神話の大蛇ですね」
「ロキの息子のな」
「そうですか、ヨルムンガルド位ならですか」
「造られる」
「資源さえあれば」
「この宇宙の資源ははっきり言えば無限じゃからな」
「人から見ればですね」
「この宇宙にいる全生命体から見てな」
 博士が言うのは人類に限らなかった、既にそれだけ広いものを見ていてそれで語っているのである。
「無限じゃ」
「物凄いスケールですね」
「宇宙におるのは人類だけではない」
「他の生命体もいて」
「知的生命体も多くいてな」
 そうしてというのだ。
「その中には文明を築いている者達もおるが」
「その文明が、ですか」
「無限にじゃ」
 まさにというのだ。
「使えるだけの資源があるのじゃ」
「この宇宙には」
「だからヨルムンガルドもな」
「造られますか」
「あの大きさならな」
「宇宙に入っているからですか」
「宇宙に入っているならな」
 それならというのだ。
「造られる」
「大きさ次第ですか」
「この宇宙ではな」
「左様ですね、ただ」
「ただ。何じゃ」
「今博士とんでもないこと言ってますよ」
 野上君は博士にこんなことも言った。
「それもかなり」
「そうなのか」
「この宇宙よりも大きなものを造れるかどうかとか」
「しかし実際にバハムートはじゃ」
 イスラムのこの魚はというのだ。
「実際にじゃ」
「そんな大きさなんですね」
「うむ、この宇宙をな」
「額に置いているんですね」
「そうした大きさじゃからのう」
「流石に博士でもですか」
「この宇宙では造られぬ」
 博士は野上君い極めて冷静に答えた。
「残念ながらな」
「そうなんですね」
「しかしな」
「しかし?」
「この宇宙から出るとな」
 そうすればというのだ。
「バハムートも造られる」
「メカハバムートもですか」
「それが可能じゃよ」
「それもまた凄いですね」
「部屋の中でプラモを造るにしてもじゃ」
「その部屋より大きなものを造られるか」
「考えればわかるじゃろ」
 それこそと言うのだった。
「これは」
「はい、もうそれこそ」
「わしが言ってるのはそのことでな」
「難しいことではないですか」
「普通のことじゃろ」
「宇宙として考えるからですか」
 野上君は博士の言葉を受けて腕を組み考える顔になって述べた。
「大袈裟に思えるのは」
「そういうことじゃよ」
「理屈は簡単なんですね」
「至ってな」
 博士は落ち着いた声のままこうも言った。
「そういうものじゃよ」
「そうなんですね」
「まあバハムートは本当に巨大じゃからのう」
 博士はあらためてバハムートの大きさについて話した。 
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