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八条学園騒動記

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第五百三十二話 有り得ない政府その三

「それが出来ないので」
「ハサンはですね」
「そのインターネットが弱く」
「マスコミの権力が強くて」
「それで、です」
 その為にだったというのだ。
「ナベツーラ派が政権に就きました」
「ハサンのマスメディアが贔屓している彼等が」
「そうでした、何しろナベツーラ派の軍人が略奪暴行を行っても」 
 それも自国の市民達にだ、守るべき彼等に対して。
「元気がいい英雄的な行い等とです」
「言っていたのですね」
「それではです」
 軍隊が略奪暴行を行ってもそれが悪事と糾弾されるどころか英雄的な行いとして褒められる様ではんというのだ。
「最早です」
「その国は滅亡ですね」
「そうなりますね」
 絶対にとだ、マリアも答えた。
「そうした状況では」
「マスメディアは腐敗しやすく」
 それも極めて容易にだ。
「そしてです」
「その言うことをですね」
「迂闊に信じてはいけません、インターネットでも」
「フェイクニュースが多いですね」
「そういうものですから」
 だからだというのだ。
「決してです」
「信じてはいけないですね」
「やはりです」
「チェックをして」
「そしてです」
「事実なら」
 それならだ。
「信じるべきで」
「事実でないならですね」
「それがわかれば」
 その時はというのだ。
「もうです」
「信じないことですね」
「マスコミのニュースもネットのニュースもです」
 そのどちらもというのだ。
「連合では真偽がわかります」
「ネットで検証されるからですね」
「そうです、ですがハサンでは」
「それが出来ていなくて」
「ネットはあるにはありましたが」
 ハサンにもというのだ。
「それでもです」
「普及していなくて」
「そのせいで、です」
「マスコミの嘘が通って」
「それが衆愚政治になり」
「滅亡に至りましたね」
「衆愚政治は容易に陥ります」
 民主政治ではというのだ。
「これは皇帝が主権者の場合でもですが」
「若し皇帝が愚かになれば」
「その時はです」
「簡単にですね」
「皇帝が佞臣を用いて」
 トラップはマリアにあらゆる国、主権者が君主である国で起こった出来事について話した。それも真剣な顔で。
「国が乱れる」
「そうなりますね」
「先にお話した西晋も」
 この国もというのだ。
「二代目の皇帝が愚かといいますか」
「皇后の専横を許した」
「どうも知能に問題があったらしくて」
 このことでは異説もある。
「それで、です」
「政治を行うことがですか」
「出来なかったそうで」
 そこまでの能力がなかったと言われている。 
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