| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十二部第二章 アウトカースト政府その二十三

 だが中央政府は違いだ、彼等は総力を挙げてジャバルやアウトカースト層のことを調べそのうえで彼等を把握していた。
 そしてだ、情報を受けたカバリエも言った。
「どうやらジャバル主席は英雄ね」
「間違いなくですね」
「そうした方ですね」
「あの方は」
「そうよ、そしてね」
 さらに言うのだった。
「謀略家でもあるわね」
「そうしたこともですか」
「おわかりになられましたか」
「ええ」
 その通りというのだ。
「そのこともね、そもそもね」
「そもそも?」
「と、いいますと」
「二十代で政府の代表になったのよ」
 カバリエもこのことに注視していた、それで言うのだった。
「そうなろうと思えば」
「謀略ですか」
「得意としなければ至れない」
「そうだというのですね」
「流石にそれは掴ませないわね」
 カバリエはこうも言った。
「ジャバル主席も」
「謀略は知られていなければ」
「そうでなければならないですね」
「だからこそですね」
「ジャバル主席もそれは掴ませない」
「尻尾を見せないですか」
「そうよ、そうした迂闊な人ではないわ」
 カバリエはジャバルをそう見ていた、そうしたかなりの手際の人物とだ。彼を見るその目は冷静だが賞賛は見せている。
「謀略を使っていて得意であっても」
「そうであることは見せない」
「あくまで表の力で今にまで至った」
「その様にですね」
「ご自身を見せておられるのですね」
「そうよ、確かに表の資質も凄いわ」
 そうした意味での知力や政治力、そしてカリスマはというのだ。
「統率力もある様だし、けれど」
「裏もですね」
「裏の能力もかなりですね」
「そしてそれを使ってですね」
「僅か二十代で一つの政府の代表になった」
「そうなのですね」
「そうよ、さもないとね」
 それこそというのだ。
「そうはなれないな、むしろあろうとも」
「そうした裏の資質も」
「謀略等を駆使しても」
「それでもですね」
「二十代でそこまでなることは」
 到底というのだ。
「そうなれるものではないわ」
「共和制の政府で、です」
 スタッフ、マウリア担当の者の一人がここで言った。
「大学を卒業してすぐにでしたね」
「選挙に立候補してね」
「当選ですね」
「そうなったわ」
「これ自体がです」
「まずないわね」
「その時点で」
 最初の時点でというのだ、ジャバルの。
「最早」
「そうね、あの政府は二十歳から立候補権があるけれど」
 マウリアのアウトカースト層の政府はだ、こうしたことも調べていきその中でわかってきたことであったのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧