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星河の覇皇

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第七十二部第二章 アウトカースト政府その十九

「しっかりとしたシステムですね」
「議会も裁判所も」
「三権分立も出来ていてです」
「細かいところまでね」 
 それこそとだ、大使も話す。
「考えられていてそして」
「考えられていますね」
「実にね」
「よく機能出来る様になっています」
「そして何かあろうとも」
 所謂有事や不測の事態だ、そうしたことが起こってもだ。
「対応がね」
「出来る様になっています」
「そう考えると」
「はい、アウトカースト層もです」
「中々政治に長けている」
「少なくとも内政については」
「いいね、そしてその中でも」
 大使はまた言った。
「あの主席殿はね」
「恐ろしい人物ですね」
「主席になるまでなってからの業績も見事だよ」
「ただ若いだけでなく」
「資質も備えている、ただ」
 ここでだ、大使は大使館員にこうも言った。
「それは表の資質だけではないだろうね」
「裏の資質ですか」
「権謀術数にも長けている」
「そちらも使い」
「そしてあそこまでなっただろうね」
「普通の政治力や知力だけではなく」
「資金力やカリスマだけでなくね」
 そうした表の資質だけでなく、というのだ。政治の世界ではよく言われていることでもあるが彼もまたというのだ。
「謀略とかもね」
「使いそして」
「上がっていっただろうね」
 政府の代表、そこまでというのだ。
「やっぱり」
「そう言われますと」
「君もそう思うね」
「ただ資質とカリスマだけなら」
「二十代で政府の代表にはね」
「なれません」
 到底とだ、大使館員も述べた。
「どう考えましても」
「そうだね、だからね」
「謀略もですか」
「使っていたよ」
 ジャバル、彼はというのだ。
「それは間違いないよ」
「では油断もですね」
「出来ない人物だろうね」
「謀略ですか」
「君は好きではないね」
「どうしても」 
 ここでだ、大使館員は首を傾げさせてそのうえで大使に答えた。
「そうしたことは」
「そうだね、しかしね」
「政治の世界ではですね」
「重要な要素であることは確かだよ」
「ではシャイターン主席の様な」
 大使館員はサハラのこの英雄、梟雄と呼ばれている彼の名前を出した。
「そうした方ですか」
「そうかも知れないね」
「謀略を厭わない」
「むしろ好む」
「ですか」
「うん、そうでもないとあそこまではなれないよ」
 まただ、大使はこう言ったのだった。
「二十代で国家の代表にはね」
「普通に考えて市長でもですね」
 一つの都市のだ、尚市長の権限は連合はかなり大きい。これは連合が分権国家だからに他ならない。 
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