| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

生物要塞

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「どうにもならないというお話ですが」
「言い伝えではやな」
「動いていませんがそのおぞましい姿を見た討伐隊がそう記録しています」
 狂った科学者を倒してその凶行が実際に動こうとしたところで止めた彼等のそれによると、というのだ。
「その様に」
「そうなんか、しかしな」
「ここはですか」
「こうした時の私達や」
 星の者達だとだ、島崎は市長に荒いが毅然とした口調で述べた。
「そやからな」
「移動要塞をですか」
「倒してくる、それでええか」
「宜しいのですか」
「ああ、今から終わった後で飲む酒のことを考えるわ」
 島崎は軽口も出してだ、そうしてだった。
 二人はその移動要塞が埋もれていた場所を市長から聞いてそうしてだった、その方角に向かった。移動要塞はそこからこの街に来ていると聞いたからだ。
 それでその方角に向かった、途中のモンスター達は問題なく倒していった。その中で島崎は横溝に話した。
「生物の移動要塞っていうけどな」
「具体的にはですね」
「詳しい外見聞いてないな」
「はい、強大とのことですが」
「外見だけ見てもな」
「古い記録では、しかし」
 それでもとだ、横溝は話した。
「詳しい姿も力も」
「何もな」
「聞いていません」
「そやな、それがな」
「問題ですね」
「ああ、どんな奴か」
 島崎は腕を組み真剣な顔になって述べた。
「それ次第やが」
「まずはその移動要塞を見てですね」
「考えるか」
「所謂出たとこ勝負ですね」
「冒険でも政でも戦でもよくないことですが」
「こうした時もあるか」
 島崎は苦い顔にもなっていた、だが実際今はそれしかなかった。それで二人でさらに先に進んでいくとだった。
 目の前に全高二千メートル、逞しい両手を左右に肩の高さで伸ばしてもそれ位はある巨大さだった。
 上半身、膝までは逞しい人間というよりかはバーバリアンのそれの様な逞しい身体で毛の変わりに羽根が生えている。膝から下の二本の足は人のものではなく蛇の尾で不気味に動いて前に進んでいる。
 両肩の間、頭にある部分は百の様々な種類のドラゴンの頭があり炎や毒や雷等の息を吐き出し身体の周りを暴風が吹き荒れている。
 その禍々しい巨体を見て島崎は言った。
「テューポーンか」
「ギリシア神話最強の魔物ですね」
「怪物神と言ってええな」
「はい、移動要塞は何かと思いましたが」
「こいつを生み出したか」
「巨人族にドラゴン達とロック鳥を合わせたのでしょうか」
「そして遥かに巨大化させた」
 巨人やドラゴン達よりもというのだ。
「そうしたもんか」
「これならどの様な街もひとたまりもありません」
「巨大な台風みたいなもんやからな」
「はい、ですから」
 それでとだ、横溝も言った。
「これはです」
「私達やないと、それも死ぬ気でかからんと」
「倒せません」
「魔神や天使長、邪神達より強いやろ」
「ギリシア神話最凶の存在ですから」
 オリンポスの主神、雷を使うゼウスですらてこずった、まさにこの神話で最強のモンスターか怪物神である。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧