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おぢばにおかえり

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第五十四話 最後の学期になってその十九

「それこそ」
「それでもよ。教会を継ぐならね」
「大学の四年でなの」
「多分今その種が蒔かれてるわよ」
「そうなの」
「高校の三年間、特にこの一年でね」
「一年でなの。私としては」
 私自身が思うにはです。
「あれね、一年生で入った時にね」
「長池先輩?」
「あの人にお会い出来てね」
 その時がです。
「おみちのことでも勉強になったわ」
「私もあの先輩いい人と思うわ、優しくてしっかりした人だったわね」
「ええ、だからおみちのことも色々教えてもらったの」
「同じ兵庫県の人だったし」
 このことも大きかったと思います、まさか同じ兵庫の人が同じ寮しかも同じお部屋の人になるとは想像もしませんでしたが。
「そうだったわね」
「そうなの、兵庫のお話もよくしたわ」
「ちっちはあの人に会えてよかったのね」
「凄くね。どれだけ助けてもらったか」
「そうね、ただこの前言ってたけれどあの一年の子はでしょ」
 ここでまた阿波野君のことを言ってきました。
「長池先輩ご本人に言ったのよね」
「自業自得だってことをね」 
 あの時のことを思い出すと今も立腹します、冗談ではありません。
「言ったのよ」
「それね、ちっちは長池先輩がご自身が言われる様なことはしないって思ってるのよね」
「だからそんな人じゃないわよ」
 一年ずっと寮で一緒でこのことはわかっています。 
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