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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その二十八

「オムダーマンには人材はいるが」
「対するティムールはどうか」
「あの国はですね」
「それはどうか」
「それが問題ですか」
「シャイターン主席がいる」
 まずは彼の名前を挙げた。
「やはり彼も英雄だ」
「はい、そうですね」
「相当な人物ですね」
「あの御仁も」
「そのことは間違いないですね」
「彼は間違いなく英傑だ」
 クリシュナータだけでなく人類の殆どが認めることだ、戦いにおいても政治においても彼は英雄であることを。
「しかしだ」
「それでもですね」
「他に人材がいるのか」
「それが問題ですね」
「オムダーマンの様に」
「二人の弟殿はかなりだ」 
 フラーム、そしてアブーはというのだ。
「まさにシャイターン主席の両腕だ」
「あの方を支える」
「そうした方々ですね」
「他に文官もそれなりにいる様だが」
 こうも言うのだった。
「しかしだ」
「それでもですね」
「お二人の他に確かな人材がいるか」
「それがティムールの問題ですか」
「あの国の」
「アッディーン大統領とシャイターン主席の資質は拮抗している」
 両者のそれはというのだ。
「おそらく彼等はお互い以外には敗れない」
「どちらの方もですね」
「他の方には敗れないですね」
「そのことは確かですね」
「そうだ、そしてだ」
 ここでクリシュナータはこうも言った。
「両雄が戦えばだ」
「その場合は、ですね」
「どうなるかですね」
「間違いなく引き分ける」
 クリシュナータは断言した。
「それぞれの率いる戦力が互角ならな」
「資質が拮抗して、ですか」
「それで、ですか」
「引き分けになる」
「そうなりますか」
「お互いはな、しかしだ」
 それでもともだ、クリシュナータは話した。
「だが、だ」
「他の戦いはどうか」
「それは、ですね」
「そこが問題になりますか」
「オムダーマンとティムールの」
「両国の戦いは」
「そうだ、例えばアッディーン大統領とシャイターン主席が激突する」
 英雄同士がというのだ。
「だが戦争は他の場所でも行えるな」
「はい、英雄同士が戦いです」
「他の場所では両国の指揮官達が戦う」
「そしてその戦場で、ですね」
「どちらが勝つかですね」
「それが問題だ、アッディーン大統領はわからないが」
 クリシュナータはアッディーンそしてシャイターンのことを分析して述べた。
「シャイターン主席は策謀家でありどうした謀略も厭わないが」
「しかしですね」
「それでもですね」
「あの方は」
「どうした方なのかですか」
「戦争においては自ら戦いしかもだ」
 それだけでなく、というのだ。 
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