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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その二十七

「主席はどう思われているでしょうか」
「オムダーマンかティムールか」
「はい、どちらが」
「それはわからない」 
 これがクリシュナータの返答だった。
「どちらが勝つかはな」
「左様ですか」
「そうだ、しかしだ」
「しかし?」
「国力で言うとオムダーマンだ」
 こちらになるというのだ。
「やはりな」
「あの国ですか」
「そうだ、国力だけを見るとだ」
 こう限定して話すのだった。
「オムダーマンになる」
「サハラの六割五分を占めていますし」
「その力が大きいことは確かですね」
「サハラの最先進地域だった旧ハサン王国領の大半も手に入れています」
「それならですね」
「国力はあの国の方が上だ」 
 アッディーンが大統領を務めるこの国のというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「あの国が本命となる」
「そうなりますか」
「あの国ですか」
「何度も言うが国力を見るとな」
 これを基準として見ればというのだ。
「そうなる、技術等は同じ位だしな」
「同じサハラで」
「そこは変わりませんね」
「軍事技術も然りで」
「同じになりますね」
「後は人材だが」
 即ちソフトウェアはというのだ。
「個々の将帥の質は同じか」
「両国共」
「それは変わらないですか」
「そちらについても」
「同じですか」
「タイプは違うがレベルはな」
 こちらの面を見ればというのだ。
「そうなるか、だが数はな」
「やはりオムダーマンですか」
「あの国になりますか」
「そちらの面でも」
「将帥の数でも」
「人口も影響しているがオムダーマンは元々優れた将帥が多かった」
 これはオムダーマンがまだサハラ西方の一国に過ぎなかった時からのことだ。その時からこのことには定評があった。
「アッディーン大統領だけではない、だからだ」
「あそこまで至ることが出来たのですね」
「アッディーン大統領だけでないからこそ」
「サハラ西方の辺境からですね」
「一気にあそこまでなったのですね」
「人材がいたからこそ」
「アッディーン大統領以外にもな」
 側近達に話した。
「だからだ、しかもそれは軍人達だけでなくだ」
「文官、官僚もですか」
「政治を行う彼等も優れている」
「だからですか」
「あの国はあそこまでなった」
「そうなのですね」
「そうだ、国力に人材がいればだ」
 その二つが合わさればというのだ。
「違う」
「そうなのですね」
「人材も多くいるからこそ」
「オムダーマンは勝ち進み国力も伸張した」
「併合していった領土を統治出来た」
「そうなのですね」
「そう思う、しかし思うことは」
 ここでそれはというと。 
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