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真の悪

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第三章

「そんな奴なんだよ」
「自分はやたら人権とか言うけれどな」
「それとは真逆の国と付き合いがあるんだよ」
「それも自分が堂々と言ってる通りな」
「自由とか人権とか言って」
 香織はここでも眉を顰めさせた、そのうえでの言葉だった。
「それでもですよ」
「北朝鮮とつながりあるとな」
「信用出来ないだろ」
「普通人権とか言ったらあんな国と付き合うか」
「世界一人権侵害を行ってるからな」
「若しかして」
 香織はふと思ってだ、伊達と宮脇に言った。
「この人日本を」
「自分の意見以外認めないだろ」
「言論弾圧も主張するしな」
「ならわかるだろ」
「こんな奴が権力握ったらな」
 その時はというのだ。
「実際に握ってるな」
「国会議員だからな」
「それで権力を行使してな」
「あの通りだよ」
「本当にとんでもない人ですね」
 在田についてだ、香織も遂に確信した。
「あの人は」
「まだあるからな、あいつ」
「それもわかるぜ」
「とことん碌でもない奴でな」
「まだあるからな」
「そうですか、今の時点で」
 香織もだった、このことは。
「あの人がどんな人かわかりました」
「わかっただろ、今の時点で」
「人権とか権力がどうとか言ってな」
「自分は人権抑圧国家とつながりあってな」
「言論弾圧して国家権力も使う奴だよ」
「自覚あるかどうか別にな」
「そういう奴なんだよ」
 二人は実に忌々し気に話した。
「だから悪だっていうんだよ」
「そのことも香織ちゃんもわかってきたよな」
「それもよく」
 香織はまた答えた、そして今度はだった。
 自分から在田の人間関係を調べた、するとだった。
「あの、差別主義者殴り隊っていう」
「あそこ極左の集まりだろ」
「あの連中も酷い連中だよ」
「やっぱり民主主義とか言ってもな」
「連中も極左だよ」
「プロ市民の集まりだからな」
「沖縄にもしょっちゅう行ってるしな」
 伊達も宮脇もこう話した。
「まんま極左だよ」
「昔の学生運動やってた馬鹿共そのままだよ」
「っていうかそうした連中も入ってるしな」
「あそこもとんでもない連中だよ」
 その団体もというのだ。
「差別反対とか言うけれどな」
「正体は運動家だからな」
「その主張まんまだよ」
「極左のな」
「そうみたいですね、何か」
 香織はスマホを出した、そしてそこから動画を観た。その動画は沖縄の基地反対運動その組織のメンバーの活動だったが。
 その発言や行動を見てだ、香織は二人に言った。
「あのですね、基地に行く車とか検問してますけれど」
「そんな権限ないんだよ」
「それでもやってるんだよ」
「公道ずっと占領してな」
「そういうことしてるんだよ」
「これって」
 どう見てもというのだ。
「犯罪ですよね」
「公道強引に占領していてな」
「勝手に検閲までしてるしな」
「あと大暴れしてるしな」
「もう完全にだよ」
「何でこんなの野放しなんですか?」
 このこと自体がだ、香織は不思議に思った。 
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