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ある晴れた日に

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7部分:序曲その七


序曲その七

 明日夢の家の店であるスタープラチナ。そこに今女の子達が集まっている。見ればその面々は彼女のクラスメイトばかりであった。彼女達は見せの入り口を見回している。待合の場もカウンターもきらきらと星達が瞬いて目がちかちかとする程だった。彼女達はそれを見て言うのだった。
「何か相変わらず星ばっかりだな」
「そうね」   
 春華の言葉に咲が頷く。
「スタープラチナって名前もそうだけれど」
「これって何か由来あるの?」
 奈々瀬がカウンターにいる明日夢に対して問う。半ズボンと赤いシャツの上着の上に白いエプロンを着けている。見ればそのエプロンにも金と銀の星が飾られ店の名前も書かれている。
「このスタープラチナって」
「前は白鯨って名前だったのよ」
 明日夢はこうクラスメイト達に語る。
「私が生まれる前は居酒屋だけだったらしいわ」
「ああ、六階のあれね」
「そう、あそこ」
 彼女の家はビル全てを使っているのだ。カラオケ屋の他にも居酒屋やゲームセンターもしている。プリクラもかなり置いていたりする。
「あそこも今名前変えてるけれどね」
「大魔神ってあれね」
「そう、あれ」
 凛の問いに答える。
「あれがそうなのよ」
「成程ね」
「けれどね。名前変えたの」
 こう皆に説明する。
「色々と理由があってね」
「理由ねえ」
 静華はここでふと思うのだった。
「ひょっとしてさ」
「何?」
「横浜ベイスターズ?」
 こう明日夢に尋ねるのであった。
「スタープラチナに大魔神って」
「そういえばよ」
 春華も気付いた。
「ゲーセンの名前も」
「ベイスターよね」
「まあね」
 咲も言ったところで彼女達の言葉を否定しないのであった。
「その通りよ。ベイスターズ」
「成程ねえ」
「それでなのね」
「一家代々横浜ファンなのよ」
 明日夢自身の言葉であった。
「実家が横須賀にあるから」
「だから横浜なの」
「じゃあ白鯨は」
「横浜大洋ホエールズよ」
 懐かしい名前が出て来た。
「それからなのよ」
「そうなの」
 それを聞いて頷く咲達であった。
「それでだったのね」
「だから鯨に星に大魔神」
「そういうことよ。それでもねえ」
「弱えな、おい」
 春華が言ってはならない突込みを入れた。
「最近随分と酷いことになってるよな」
「困ってるのよ」
 憮然とした顔で皆に答える。カウンター越しに。
「正直ね」
「やっぱりね」
「巨人帽被ってるお客さんはお断りよ」
 商売人としては許せない言葉ではあった。
「言っておくけれどね」
「やっぱりそれか」
「あんた達巨人ファン?」
「いいえ」
「それはねえからよ」
 皆それは否定するのだった。
「あたしヤクルトだから」
「私も」
 春華と奈々瀬が語る。
「若松さんだよ、やっぱり」
「古田さんは球史に残る最高のキャッチャーよ」
「うう・・・・・・」
「ちなみに私阪神ファン」
「私も」
 静華と凛はそうであるらしい。
 
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