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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その一

                 マウリアの人口統計
 人口統計は古来より国家の大事業であった、ここから出される人口のきぼにより国力がわかり政策も決定されるからだ。
 その人口統計についてだ、エウロパ総統のギルフォードは首相でありカミュ及び副首相のアランソと話をしていた。
「古来の人口統計だが」
「はい、システムも技術もまだまだ未熟でしたので」
 まずはカミュが応えた。
「ですから」
「正確にとはな」
「いっていませんでしたね」
「抜けも多かった」
 即ち統計に出ていない人口もあったというのだ。
「古代国家ではな」
「そうでしたね」
「国家が栄えている時でそうでだ」
「これが衰えている国家なら」
「その人口統計もいい加減だった」
 そうだったというのだ。
「だから衰退期の国家は人口も減少していた」
「人口統計が万全でなかったので」
「実は実際に人口は減っていなくてもな」
「戸籍、国家が把握している人口が減っていれば」
「国家の政策には影響しない」
「そうなっていましたね」
「古代の中国を見るとだ」
 連合の大国でありこの国の古代を見るとだ。
「人口が普通に六分の一になっていたりするが」
「三国時代ですね」
 今度はアランソが応えた。
「黄巾の乱からですね」
「六千万近くいた人口がな」
「一千万まで減っていますね」
「幾ら戦乱やそれに伴う飢餓があろうともだ」
 こうしたもので人口が減少するのは事実にしてもだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「そうだ、それでもだ」
「人口が六分の一になるまで人が死ぬことは」
「有り得ない」
 ギルフォードはこう言い切った。
「半分でもな」
「ペストでも多くて半分と言われていますね」
「最も多い説でな」 
 欧州全土の流行の際それだけ犠牲になったというのだ、言うまでもなく当時のどの戦争の犠牲者よりも多い。
「そうなっているな」
「三分の一程と言われていますね」
「あの病気でもな」
「戦争は避難も出来ますし」
「そこまでは死なない」
 伝染病程はだ。
「到底な」
「そうですね」
「そうだ、だから実はだ」
「戸籍が崩壊し正確な人口統計が出来る国力がなくなり」
「その程度しか把握出来なくなっていたのだ」
 それが現実だったというのだ。
「特に三国時代の蜀の末期はな」
「国力が衰亡し」
「人口が最盛期の十三パーセントまで減っていた」
「それだけ戸籍を把握出来なくなっていましたね」
「そういうことになる」
 まさにというのだ。
「その後晋が統一したがまた戦乱になり」
「その戦乱の時もですね」
「中国の人口は少ないままだった」
 どう見ても実数よりもというのだ。
「南北朝時代北朝は九百万、南朝で二百万」
「その程度でしたね」
「当時の中国の人口は」
「それが統一されるとだ」
 隋によってだ、この隋からあの暴君煬帝が出ている。
「また一気に増える」
「確かな力を持つ政権が出来」
「そのうえで戸籍調査もしっかりと行われ」
「そうしてだ」
 その隋の人口統計はというと。 
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