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おぢばにおかえり

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第五十四話 最後の学期になってその五

「過労だから」
「また違うわね」
「一生漫画描いていたのね」
 漫画が本当に好きな人なら本望でしょうか。藤子不二雄先生や石ノ森章太郎先生もかなりだったと聞きますが。
「それだとね」
「幸せだったのかしら」
「漫画が大好きだった人よね」
「ええ、そのことは間違いないわ」
「だったらね」
 大好きな漫画を死ぬまで描けたらというのです。
「幸せだったと思うわ」
「そうなのね」
「ええ、確かに一日四時間の睡眠でも」
 しかも徹夜も多かったのにです。
「幸せだったと思うわ。ただ私には無理ね」
「一日四時間位しか寝ていないと」
「身体壊すわよ」
 毎日それ位しか寝ていないならというのです。
「流石にね」
「実際過労死だったって言われてるわね」
 癌だったそうですが実質それだったと言う人もいます。
「あの人は」
「そこまではね」
「好きでも出来ないの」
「身体壊してまでは」
 流石にというのです。
「出来ないわ」
「それが普通よね、幾ら好きでも」
「そんな命削ってまでとか」
「とても出来ないわね」
「無理はね」
 一日四時間しか寝ていなかったり徹夜もしょっちゅうとかいう生活はです。
 それで、です。二人でそうしたことはとても無理だとお話してからでした。この娘は私に今度はこう言ってきました。 
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