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星河の覇皇

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第七十一部第五章 組み入れその三十

「ならないですね」
「連合の倫理ではな」
「だからですか」
「しなくてよかった、むしろだ」
 それは八条の失態ではなく、というのだ。
「エウロパの復興が予想を超えている」
「そうなりますか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「むしろな」
「そうですか」
「私はそう思う、だが」
 ここでだ、こうも言ったキロモトだった。
「ヒトラーは経済を復興させてだったな」
「戦争をはじめました」
 元々それを考えていた、ゲルマン民族の生存権確保の為のそれをだ。彼は著書である我が闘争の中で書いていたのだ。
「そしてですか」
「あの総統殿もか」
「進出を考えています」
「暗黒宙域を越えてか」
「新天地を手に入れるとのことです」
「大航海時代か」
 キロモトはこの時代のことにも言及した。
「まさに」
「そうなるかと」
「その為の復興でもあるか」
「彼にとっては」
「そして新天地で力を手に入れてか」
「栄光を再びというのでしょう」
「やはりそうか、大航海時代からだった」
 キロモトはこの時代からはじまった連合にとっては受難とされる時代のことを話した。
「エウロパは侵略を開始してだ」
「そして、でしたね」
「多くの国が滅び多くの者が殺された」 
 侵略を行った西欧諸国によってだ。
「二十世紀の半ばまでな」
「そうなりましたね」
「またそうしたいのだろうな」
「少なくとも自分達の栄光を取り戻したいのでしょう」
「言語道断だ、しかしだ」
「それを防ぐ為には」
「我々は彼等以上に発展しなければな」
 そうするというのだ。
「国力も技術もな」
「これまで、いえこれまで以上に」
「発展させよう」
「そうあるべきですね」
「力が強く大きければ侵略されない」
 連合の教訓の一つだ、だから彼等は二度と侵略されない様にとりあえずの統一以外に国力と技術も追い求めているのだ。
「そうしていこう」
「常に彼等を圧倒していきましょう」
「是非な」
「エウロパについてはですね」
「是非な、そしてサハラはだな」
「アッディーン大統領とシャイターン主席はそれぞれお国に到着していますし」
「少し経つとな」
 準備が整ったならというのだ。
「いよいよだな」
「統一の為の戦争がです」
「はじまるな」
「長く激しい戦いになります」
 その戦争はとだ、八条は述べた。
「サハラ統一の為の最後の戦争は」
「そうなるな」
「間違いなく」
「サハラも大きく動く時か」
「動乱の歴史が終わりますが」
「やはり大きく動くな」
「はい、確実に」
 八条はサハラのことも話した。 
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