八条学園騒動記
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第五百二十七話 お見合い相手その一
お見合い相手
ミンチンはマリアを今度は古代メソポタミアのコーナーに案内した、そこにはアッシリアやバビロニアの遺跡や楔形文字を書いた粘土板があった。
そうしたものを見つつだ、ミンチンは今度はこんなことを言った。
「私は最初どうも生徒さん達に」
「評判が悪いとですか」
「はい、四月の頃は」
つまり最初の頃はというのだ、学生達と向かい合って。
「嫌われますね」
「いえ、先生は」
マリアは自分が知っている学生からのミンチンの評判を話した。
「別に」
「嫌われていないですか」
「特に。といいますか」
学生達からのミンチンの評判はというのだ。
「厳しいですが真面目で公平な」
「そうした先生とですか」
「言われています」
「だといいのですが」
「その厳しさが」
マリアが思うにだ。
「学生さん達に最初はです」
「嫌われるのですね」
「ですが真面目で公平なので」
こうした美徳も併せ持っているからだというのだ。
「ですから」
「嫌われないですか」
「教え方もいいと」
尚ミンチンの教科は銀河語である。
「好評です」
「いつも学生さん達にです」
「わかりやすい様にですか」
「そうした授業をです」
それこそ常にというのだ。
「心掛けていて」
「努力をですか」
「しているつもりです」
実際にというのだ。
「それが出ていれば」
「いいですか」
「はい」
こうマリアに答えた。
「そう思います」
「そうですか」
「生徒の人達も見ていますから」
「先生をですね」
「厳しくても」
自分達にそうであってもというのだ。
「真剣に自分達と向かい合っているなら」
「それならですね」
「そのことを見て」
そしてというのだ。
「判断してです」
「評価もですね」
「しますので」
教師をというのだ。
「ですから」
「私は、ですか」
「嫌われていないです」
「厳しくしていても」
「感情的にもなられないですね」
「それで学生の人達を導けるとはです」
感情を出してもいうのだ、指導において。
「思いません、怒るべき時には怒りますが」
「それでも感情的にはですね」
「ならない様にしています」
「罵倒もされないですね」
「罵倒は言った人の品性を貶めます」
そうしたものだというのだ。
「ですから」
「されないですね」
「これもまた暴力ですし」
罵倒もというのだ。
「ですから」
「そうしたことがです」
「学生の人達にですか」
「評価されています」
「そして私自身もですか」
「嫌われず」
そしてというのだ。
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