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レーヴァティン

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第百十七話 西の端へその十一

「何とかするな」
「そうするわね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「いや、あの国もな」
 その古王国もとだ、久志は言うのだった。
「出来たら戦なしでな」
「終わらせたいというのだ。
「やっぱりな、ただな」
「あちらとしてはね」
「そうもいかないみたいだな」
「だから守りを厳重に固めていっているのよ」
 先に話された通りにというのだ。
「そうしてね」
「俺達ともか」
「戦うつもりよ、あの国は術を使える人間が多いから」
「苦労するか」
「戦になるとね」
「アレクサンドリアがだったな」
 ここでだ、久志は古王国のこの街の名前を出した。
「あそこに巨大な図書館があって」
「大学も凄いのがあるのよ」
「そこで術が盛んに学ばれていてか」
「優秀な術者も多いのよ」
「魔術師なり僧侶なりでか」
「錬金術師も超能力者もね」
 そうした職業の者達もというのだ。
「多いわよ、人口は今の私達よりはずっと少なくて軍の規模も小さいけれど」
「術を使う人間はか」
「多くてね」
 それでというのだ。
「そこは注意してね」
「そうか、術か」
「それがあの国の特徴で」
 それでというのだ。
「強みだから」
「わかった、じゃあな」
「そこも注意してね」
「戦っていくな」
「それで勝っていくわよ」
「戦うならな」
 まさにとだ、久志は双葉に応えてだった。そうして軍勢を東に向かわせるのだった。古王国との闘いも見据えて。


第百十七話   完


                 2019・6・8 
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