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レーヴァティン

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第百十七話 西の端へその九

「あっちはね」
「湖の面積が多くてか」
「そのお水はね」
「浮島の生きものが使ってな」
「雨や雪が降ってね」
 そうしてというのだ。
「補充されているんだよ」
「そうだよな」
「それがこの世界の浮島だね」
「面白いな、それも」
「そうだよね、本当に」
「それでな」
 ここでまた言った久志だった。
「俺達はこれでな」
「南岸の西の端まで辿り着いて」
「ここまでずっと占領出来たな」
「この山達を見ているのが何よりの証拠だよ」
「そうだよな、じゃあな」
「これからはね」
「陸も湖もな」
 どちらの路を進んでいる軍勢もというのだ。
「一旦カルタゴまで戻るか」
「そしてだね」
「いよいよな」
「東に向かうね」
「ああ、その時が来たな」
 久志は淳二に笑って応えた。
「遂にって言うと大袈裟かも知れないけれどな」
「まあそこまではね」
「言うと極端でもな」
「次の段階に進めるね」
「東に行くことがな」
 まさにそれがというのだ。
「そうだからな」
「じゃあね」
「一旦カルタゴに戻ってな」
 そうしてというのだ。
「それからな」
「東に行くね」
「それで古王国ともな」
 この国ともというのだ。
「戦うか」
「そうそう、その古王国だけれど」
 淳二はこの国の話もした。
「おいら達を警戒しているみたいだよ」
「戦になるってか」
「攻めて来るってね」
 その様に思ってというのだ。
「思っているみたいだよ」
「やっぱりそうか」
「それで守りを固めてるよ」
「こっちに来る心配はないか」
「もう守るのに必死でね」
「そうか、まあ相手の出方次第でな」
 それでとだ、久志は淳二に腕を組んで考える顔で述べた。
「俺達もな」
「攻めるよね」
「ああ、そうするしな」
「相手もあながち間違ってないね」
「俺達が攻めてくると思っているならな」
「そうだね、けれど相手が守りを固めているなら」
「そこから万全の備えをしてな」
 それからとだ、久志は敵のこれからの動きについて考えつつ淳二に話した。そこから先まで考えて言うのだ。
「攻勢にもな」
「転じるかも知れないね」
「ああ、けれどな」
「敵が守りを固めている間に」
「俺達は東に向かうか」
 予定通りそうするというのだ。
「そしてな」
「実際に古王国まで向かうね」
「そうするな」
「じゃあね」
「ああ、守りはそのままでな」
 引き続きマリオとジュゼッペに任せるというのだ。 
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