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オズのキャプテン船長

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第一幕その六

「厚く切って焼いたものですね」
「そうよ、ステーキみたいにね」
「それもアメリカならではですね」
「ハムもそうしてソーセージもね」
 こちらもというのです。
「焼いたものだから」
「そちらもですね」
「期待していてね」
「そうだね、ただソーセージは」
 ここで船長が言ってきました。
「茹でてもいいね」
「あっ、そっちも確かにね」
「ソーセージは美味しいね」
「ええ、じゃあソーセージはね」
「茹でる方でかな」
「それでいくわね、焼いたものばかりでもね」
 それでもとです、トロットも頷きます。
「面白くないし」
「だったらね」
「ソーセージは茹でたものを出すわ」
「わかったよ」
「じゃあ今日のお昼はソーセージはね」
 茹でたものを出してというのです。
「食べましょう」
「それじゃあね」
「パンも出すし」
 トロットはこちらも忘れていません。
「皆で楽しく食べましょう」
「そうだね、それとね」
「それと?」
「今日の晩ご飯はお米はどうかな」
「お米もなの」
「恵梨香を見て思ったんだ、今ね」
 見れば船長は実際に恵梨香を見ています、日本人の彼女をです。
「それでだよ」
「あっ、恵梨香は日本人だから」
 トロットも言われて気付きました。
「お米が主食ね」
「だからね」
「あれっ、お米が主食なのは」
 恵梨香は自分が言われて少しきょとんとして言いました。
「中国もそうなんじゃ」
「僕は天津生まれだから」
 その中国人の神宝が言ってきました。
「中国の北の方で主食は麦だよ」
「そういえば中国の北は主食は麦だったわね」
 ナターシャもこのことは知っています。
「黄河の方は」
「そうそう、中国って南がお米でね」
 ジョージも言われて頷きます。
「北は麦だね」
「それぞれの地域で主食が違うんだったね」
 このことをカルロスも言います。
「黄河が麦、長江がお米だったね」
「外の世界の主食のことを学ぶと面白いのだよ」
 教授も参戦してきました。
「気候によって違うからね」
「それで日本では」
「お米だね」
「そうなっているんですね」
「そもそも君は主食は何って思ってるかな」
「お米です」
 恵梨香は教授にすぐに答えました。
「パンよりもです」
「ジャガイモよりもだね」
「ドイツやロシアやペルーじゃそうですよね」
「そうだよ、ジャガイモが主食の地域も多いよ」
「ですが日本だと」
「そうだね、そしてこの顔触れだと」
 お米が主食という人はといいますと。
「君になるんだ」
「他の皆は麦ですね」
「そうだよ、けれどこれは悪いことじゃないからね」
「主食がどうでも美味しいからね」
 モジャボロが恵梨香に笑顔で言いました。 
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