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ある晴れた日に

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657部分:炎は燃えてその一


炎は燃えてその一

                    炎は燃えて
 また今朝も皆で話していた。やはり咲の机の周りに集まっている。
 そこで話をしながら。竹山が言ってきたのだった。
「それでね」
「何かわかったのか?」
「あの弁護士の事務所は前に言ったかな」
 その話からするのだった。
「前に。どうだったかな」
「確かそうだったな」
「そうだよね」
 皆そのことを思い出して話すのだった。
「それはわかったって」
「それは」
「それだけれどね」
 竹山はあらためてその話をしてきた。
「わかったから。これ」
 言いながら一枚出して来た、そこに住所や電話番号が書かれていた。
「ここにあるから」
「よくそんなの調べられたな」
「結構裏に入るとあるんだ」
 またそちらの世界の話になった。
「表じゃ中々出回っていなくてもね」
「裏ならか」
「そんなにあるの」
「流石に家の住所はわからなかったけれど」
 それは無理だったというのである。
「それはわかったからね」
「それは大きいよ」
 桐生がそれを聞いて言った。
「後はね」
「わかってるよ」
 すぐに彼の言葉に応える竹山だった。
「あれだよね。車か何かに探知機を付けておいて」
「うん、そうしてたらね」
「家がわかるね」
「そうよね。車で通勤してるのなら」
 恵美もそれに頷く。
「若し電車でも事務所から尾行できるし」
「家がわかれば大きいよ」
 また言う竹山だった。
「何かあったら一気に追い詰められるから」
「ただし、ね」
 千佳がここで注意する様に述べてきた。
「注意しないと。相手が相手だから」
「うん、おかしな国の組織とか過激派と関係があるからね」
 それは忘れていない竹山だった。
「相当危ない奴だから」
「慎重にそういうの付けたり尾行しないと駄目だね」
 今言ったのは加山だった。
「本当にね」
「じゃあ俺が行くな」
「俺もだ」
 名乗り出て来たのは野茂と坂上だった。
「実はそういう探偵のバイトとかしてるんだよ」
「結構自信あるぜ」
「じゃあ行くんだね」
 桐生が中学からの親友である二人に対して問うた。
「その経験を生かして」
「やらせてくれよ」
「絶対に成功させるからな」
「それならいい探知機があるよ」
 竹山がまた二人に言ってきた。
「車の裏に付けるやつでね。それも地雷みたいに置くことができて」
「おっ、いいな」
「そういうのがあるのかよ」
「車が上を通ったらその腹に付くようになってるんだ」
 そういうものだというのだ。
「それだったらいいよね」
「さりげなくそれを置くだけでいいんだな」
「あいつの事務所の駐車場の前に」
「うん、それだけでいいんだ」
 本当にそれだけだというのである。
 
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