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星河の覇皇

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第七十一部第五章 組み入れその十六

「常道を踏まえるとです」
「それが一番ですね」
「上手くいきますね」
「下手に奇をてらうよりも」
「そちらの方が」
「そうです、やはりオーソドックスがです」
 政治の世界においてもというのだ。
「一番です、ただ時には」
「奇策もですね」
「それも必要ですね」
「オーソドックスではなく」
「それを使うことも重要ですね」
「私は得意ではありませんが」
 八条は自分でこう言った、彼の政策は基本を踏まえたオーソドックスでかつ的確なものとの評判がある。派手ではないが的を得た政策を執るとだ。
「そうですね、しかし」
「しかしですね」
「時としてはですね」
「それを行い」
「政策を成功させることも重要ですね」
「そうです、私はどうしてもです」
 八条の場合はというのだ。
「奇策は得意ではあいrません」
「そこは人それぞれで」
「どうしても、ですか」
「長官はそうしたことは苦手ですか」
「政策においては」
「どうにもです」
 また言った八条だった。
「これは日本の議会にいた時からです」
「日本の下院ですね」
「そちらにおられた時からですか」
「どうにもですか」
「常道から離れたものはですか」
「得意ではなかったです」 
 こう話すのだった。
「私としては」
「左様ですか」
「そういえば長官はあらゆるケースを考えて動かれますが」
「ご自身はオーソドックスですね」
「それに徹されていますね」
「スクイズはします」
 野球にも例えて話した。
「それも」
「はい、野球では奇襲ですね」
「それになりますね」
 ランナーが三塁にいる時にその三塁ランナーが走りバッターがバントを行う。成功すれば一点が入る攻撃だ。
「しかしです」
「はい、まさに奇襲です」
「奇襲でありです」
「読まれたら終わりです」
「失敗します」
「ですがそうしたことはです」
 まさにというのだった。
「行うことがあります」
「スクイズはですね」
「それは、ですね」
「行っても」
「それでも」
「はい、作戦として予想されるケースでは行いますが」
 しかしというのだ。
「どうしてもです」
「難しいですか」
「長官にとって奇襲は」
「どうしてもですね」
「そうです、人には得手不得手がありますが」
 どうしてもというのだ。
「私は奇をてらったことは苦手です」
「それは何故でしょうか」
「リスクを考えますと」
 どうしてもというのだ。 
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