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八条学園騒動記

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第五百二十五話 博物館へその十三

「私は思います」
「北朝鮮については」
「はい」
「そうですね、私もあの国は」
「問題外なまでにですね」
「酷い国だったとです」
「思われますね」
 ミンチンはマリアに問うた。
「先生も」
「本当に漫画に出て来るみたいな」
「そうした国ですね」
「一歩間違えればギャグ漫画の
「あまりにも酷いので」
「有り得ないレベルにまで」
 当時からそう呼ばれていた、その国家体制と行動のあまりもの酷さによって日本等からそう呼ばれていた。
「ああした国がいいのなら」
「地獄の方がでしょうね」
「生き地獄でしたね」
「市民にとっては」
「まさに」
「しかもその状況で」
 階級と飢餓そして弾圧と粛清に満ちた中でだ。
「あの国は地上の楽園と言っていました」
「自分達をですね」
「その様に」
「それも有り得ないですね」
「あらゆる有り得ない要素がです」
「存在した国ですね」
「北朝鮮は。流石に最後は崩壊しましたが」
 そして今は存在しない国なのだ。
「ですが」
「それでもですね」
「あの様な国が実在したことはです」
「事実ですね」
「そうです、そしてどうも日本では」
 この国ではというのだ。
「あの国を支持していた知識人が多かったそうです」
「そうなのですか」
「北朝鮮の実情が知れ渡っても」
 それでもというのだ。
「あの国を支持し擁護していました」
「あんな国をですか」
「そうでした」
「理解出来ないですね」
「どうも結託していた様で」
 その北朝鮮とだ。
「それで、です」
「支持し擁護していたのですか」
「お金も貰っていたとか」
「許されないお話ですね」
「しかもそうした人が人権を言っていたのです」
 それも声高にだ。
「何かと」
「人権なぞ何も思わない国家を擁護して」
「そうだったのです」
「当時の日本の知識人は酷かったのですね」
「そのことも今も言われています」
 人類の負の歴史の一つになっている。
「批判されて」
「当然ですね」
「まことに」
 こうも言うのだった。
「そこまで酷いと」
「究極の独裁国家を批判せず」
 人権を言いつつだ。
「それどころか」
「擁護しては」
「支持するなぞ」
「人権を言っても」
 それでもというのだ。
「説得力がないですね」
「まさに」
 二人でこう話した、そしてだった。 
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