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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第十一幕その九

「妾の自慢の一つじゃ」
「自慢になるよね」
「こうして奇麗に飾ってくれるなら」
「普通のライトアップやイルミネーションよりも凄いよ」
「ライトアップの光も動いてるしね」
「そうであるな、それでじゃが」
 お姫様はさら言いました。
「もう馳走はあらかた食べたのう」
「あっ、気付いたら」
「皆全部食べてるね」 
 トミーも王子も気付けばでした。
「あまりにも美味しくてね」
「どんどん食べてね」
「いつもよりずっと食べてるね」
「流石にお腹一杯になったよ」
「その腹とは別の腹を使ってもらう」
 お姫様は楽しそうに述べました。
「ここはな」
「デザートですね」
 先生はお姫様の言わんとしていることを察して言いました。
「そちらですね」
「うむ、ここまできたらな」
「最後はですね」
「デザートじゃ」
 そちらの順番だというのです。
「だからじゃ」
「最後はデザートを食べて」
「宴を終えよう。それでじゃが」
「それでといいますと」
「帰りも送る」
 その時もというのです。
「先生達はしこたま酔ってるしのう」
「だからですね」
「送ってじゃ」
 そしてというのです。
「後は家で休むのじゃ」
「それでは」
「して妾達はじゃ」
 お姫様はまた亀姫を見てお話します。
「宴の後は風呂じゃ」
「最後の最後はですね」
「それを楽しもうぞ」
「やはり一日の最後は湯ですね」
「はじまりに入るのもよいがのう」
「こうした宴の後は」
「身体を清める為にもな」
 まさにというのです。
「湯が最もよい」
「その通りですね」
「それでじゃが」
 お姫様はさらに言いました。
「湯は時を開けるぞ」
「酔いを醒まして」
「それからじゃ。しこたま酔ったままの風呂はよくない」
 だからだというのです。
「これは妾達妖怪も同じであるからのう」
「そうですね、死なぬとしても」
「身体によくないのは確かじゃ」
「だからですね」
「酔いを醒ましてな」
「そのうえで」
「入ろうぞ。もう酒を飲み終えて暫く経ってじゃ」
 そしてというのです。
「宴も終わって少し経つとな」
「さらに酔いも醒めるので」
「それから入ろうぞ」
「それがいいですね」
「とにかく宴が終わってすぐはな」
「入らないですね」
「時を置いて共に入ろうぞ」
 こう亀姫にお話するのでした。
「今宵もな」
「それでは」
「さて、それでじゃが」
 ここまでお話してでした、お姫様はまた先生に言いました。 
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